「エキュメニズムに関する教令」(Unitatis Redintegratio)発布50周年を記念し、カトリック教会、日本聖公会、日本福音ルーテル教会は11月30日(日)、合同礼拝を東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂(文京区関口3−16−15)で行う。3教会による合同礼拝は今回が初めてとなる。
エキュメニズムに関する教令は、第二バチカン公会議(1962〜1965)が掲げた主要な理念の一つである「キリスト者間の一致」について、カトリック教会が、その信者のあるべき姿勢を提示し、教会の刷新とエキュメニズムとの密接な関係を説き、実践を具体的に示唆する教令。今日に至る諸教派間の対話に大きな影響を与えてきた。
今回の合同礼拝について日本聖公会エキュメニズム委員会は、「カトリック教会、日本福音ルーテル教会、そして日本聖公会の3教会の合同礼拝は初めての画期的なこと」とし、諸教会に積極的な参加を呼び掛けている。日本福音ルーテル教会エキュメニズム委員会も、「この礼拝を『エキュメニズムに関する教令』発布50周年の節目に心を合わせて記念し、祝い、祈り、具体的な一致のしるしとしたい」としている。
テーマは「いつくしみと愛のあるところ」。合同礼拝は、待降節(アドベント)第1主日の11月30日午後5時から行われる。ルーテル学院大学名誉教授の徳善義和牧師が説教を取り次ぎ、カトリック東京大司教区の岡田武夫大司教、日本聖公会東京教区の大畑喜道主教、日本福音ルーテル教会の大柴譲治副議長が司式を担当する。
合同礼拝前の午後3時からは、シンポジウムも行われる。パネリストに上智大学の光延一郎神学部長、立教大学の西原廉太副学長、日本ルーテル神学校の石居基夫校長を迎える。司会はルーテル学院大学の江藤直純学長。
エキュメニズムに関する教令は、序文と第1章「エキュメニズムのカトリック的原理について」、第2章「エキュメニズムの実践について」、第3章「ローマの使徒座から分かれた諸教会と諸教会共同体について」から成る。
教令ではまず、▽キリスト教の分裂には双方の過失があり、謙虚な反省とゆるし合いが必要であること、次に、▽カトリック教会から分かれた諸教会、諸教会共同体の中に真正なキリストへの信仰があり、救いがあること、それゆえ、▽これらの諸教会や諸教会共同体そのものが「救いの機関」であると認められなければならず、彼らを兄弟として受け入れ、抱擁すること、を認めた。
また、カトリック教会から分かれた諸教会、諸教会共同体の中には、教義、典礼(秘跡)、位階制度などにおいて違いや欠けたところもあり、安易な妥協ではなく、主キリストが望まれた真の目に見える教会一致を実現するため、共通の基盤である聖書に基づく対話、研究、祈り、共同活動などを通して、辛抱強く努力しなければならないことを確認している。
この教令は当時のキリスト教会に広く好意的に受け入れられ、共同訳聖書翻訳事業やキリスト教一致祈祷週間の世界的な広がりにつながるなど、その後のエキュメニカル運動に大きな役割を果たした。