「力の限り、見張って、あなたの心を見守れ。いのちの泉はこれからわく」(箴言4:23)
私たちの人生には何が起こるか予測することはできません。突然、病気や事故や災いに襲われることがあります。まさに人生という舞台に、大きな穴がポッカリと開くような出来事に遭遇することがあります。
そんな時に、ある人は穴を見て絶望し、運命を呪い、悲しみに暮れるのです。またある人は、穴を見て見ないふりをし、現実から逃避しながら生きていきます。
更に別の人は、その穴から穴が開かなければ、決して見ることがなかった新しい世界をしっかり見つめながら歩んでいきます。
私たちの人生は、起こった出来事に左右されるのではなく、起こった出来事に、どう対処するかによって決まるのです。
そのために、私たちの心構えをいつも前向き、肯定的、創造的にしておく必要があります。そのために、三つのことをお勧めします。
(1)前向き、肯定的、創造的なことばを使う
私たち人間は、生まれてから喋り始めるまでに、約8000時間もの間、人の語ることばを聞きます。そして、そのことばの80%以上が後ろ向き、否定的・破壊的なことばだと言われています。従って私たちが語ることばも、自然と80%は「私はダメだ」「それは難しい」「不可能だ」「私には能力もお金も時間もない」などと、すぐに否定的なことばが口から出るものです。ですから、私たちは意識的に肯定的なことばを使う訓練をしなければなりません。
「キミはそれがあるからダメなんだ」と言うより、「キミはそれが直ると言うことなしなんだがね」と言うのです。「それは難しい」と言うより「それはやり甲斐がある」と言うのです。
(2)前向き、肯定的、創造的な人に触れる
「朱に交われば赤くなる」ということわざがあるように、人はいつも一緒にいる人に影響されます。パリの心理学会で一つの研究が発表されました。
テーマは「環境と人格形成」です。
スラム出身者の追跡調査をしたところ、ある年代の者に限って犯罪者が極端に少ないのです。その原因を調べたところ、一人の女性教師の影響力が判明しました。
彼女はスラム地区の中学校の教師でした。毎朝、彼女は「アイラブユー」ということばと暖かなハグを持って自分の生徒たちを迎えたのです。それが生徒たちの心に、消えることのない温もりを残したのです。
(3)前向き、肯定的、創造的なものを描く
私たちの将来は、私たちの心の中にある夢によって決まります。
フロリダのディズニー・ワールドが完成した時、ウォルト・ディズニーはそれを見ずしてこの世を去っていました。ある人が「彼はこの完成を見ることができずに残念だったろうな」と言うと、ディズニーを良く知っている人はこう言いました。
「彼はすでにこれを見ていたのです。見ていたからこそ、今日これがここに完成したのです」
帆船は帆の張り方一つで、順風でも逆風でも前に向かって進むことができます。同じように人生も、心構え一つで決まるのです。
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