全国YMCA総主事会議の末岡祥弘会長と日本YMCA同盟の島田茂総主事は6日、「広島原爆の日に際し」という文を日本YMCAの公式サイトで公開した。
8月6日は、69年前の1945年に世界で初めて原子爆弾が広島に投下された日。両氏は同日朝に広島平和公園で行なわれた記念式典について触れ、松井一美・広島市長のスピーチを「前広島平和文化センター理事長スティーブン・リーパーさんが積み上げてきた核兵器廃絶の主張を反映したスピーチでした」と評価した。
一方、最近の日本政府による集団的自衛権行使容認の閣議決定と、武器輸出三原則の防衛装備移転三原則への変更を取り上げ、「共に『戦争を放棄し、加担しない』憲法に反するものであり、広島・長崎原爆投下に対して『安らかに眠って下さい。 過ちは 繰返しませぬから』と誓った事を忘れ去っているように思います」と指摘した。
さらに、ガザ地区におけるイスラエル軍とイスラム組織ハマスの交戦についても触れ、「原爆で多数の子どもを含む市民が殺戮され、またアジアに2千万人という犠牲者を出した日本のかつての軍事行動を顧みず、広島市長の平和宣言と全く反する今の方向性を私たちはどのように考えるのでしょうか」と訴え掛けた。
最後には、「平和文化をつくる決意を新たにしたいと思います」「日本が武力によって平和を築く道を歩むのではなく、平和憲法によってこれまで築いた平和文化の力をこれからも継承し、平和を築く努力をするように祈ります」と述べた。