パレスチナのガザ地区にあるギリシャ正教会とローマ・カトリック教会、ガザ・バプテスト教会は、イスラエルとハマスの武力紛争から逃れてきた数多くのパレスチナ難民を収容している。中東専門の英文ニュースメディア「ミドル・イースト・アイ」が22日付で報じた。
同紙によると、イスラエルが国連の建物や学校、病院を爆撃する中で、絶望的になったガザの人たちが教会に避け所を求めているという。
ロイター通信によると、これらのうちギリシャ正教会には、約千人のパレスチナ人イスラム教徒が避難している。この教会は、戦争でなければめったに入ることがない、12世紀にイスラム教徒と戦った十字軍の時代から続く教会だという。
ガザにあるローマ・カトリック教会の教区教会である聖家族教会の近くでも、16日にイスラエルによる爆撃で家が破壊されたため、支援団体のスタッフが200~300人の人々が避難するのを助けていると、ロンドンにある英文カトリック・メディア「インディペンデント・カトリック・ニュース(ICN)」が報じている。
バチカン放送も17日、同教会とともに活動している「受肉した言葉の会」が、イスラエルの空襲によって近所の家が破壊されたことから、ガザ地区を離れる準備をしていると伝えた。
米南部バプテスト教会のニュースメディア「バプテスト・プレス」によると、イスラエルのユダヤ教徒とパレスチナ人キリスト教徒たち50人以上が13日、共に集まり平和のために祈ったという。ヨルダン川西岸地区の南部バプテスト教会代表であるスティーブン・ジョンソン氏は、最近、3人の子どもたちがこの戦争で死んだことを嘆き悲しみつつ、食糧不足に苦しむガザの地域への食糧配布計画の認可を得るとともに、ガザとイスラエルの人々のために祈るよう呼び掛けている。
ガザ・バプテスト教会のフェイスブックによると、同教会は2003年1月24日にイスラエル軍の攻撃ヘリコプターからのミサイルで破壊されたことがあるという。
一方、「デンマーク教会援助(DCA)」が、教会の国際的な援助団体「ACTアライアンス」を通じて18日に伝えたところによると、ガザ北部に住むオマール・アル・マジダラウィさんは、10歳になる自分の娘が彼女の人生において3回目となる戦争を体験しており、いま何が起きているか十分意識していると話している。「彼女はそれがただの結婚式の花火だなんて言わないでと私に言ってきました。なぜならそれは戦争だからです。子どもたちはそれは戦争だということを知っていて、自分たちが死ぬかもしれないと分かっているのです。それは彼女たちにとってとても精神的に疲れることです」
また、世界教会協議会(WCC)のオラフ・フィクセ・トゥヴェイト総幹事は22日、ガザにおける軍事作戦の激化に重大な懸念を表明し、「敵対関係は停止しなければならない。イスラエル、パレスチナ、そしてその周辺地域には平和の希望がもたらされなければならない。正義に基づいた平和、和解へとつながりうる永続的な平和だ」と語った。
トゥヴェイト総幹事は10日にもガザの文民に対するイスラエル軍の攻撃や、武装勢力によるガザからイスラエルへのロケット発射を強く非難する声明を発表していた。
また、世界福音同盟(WEA)も、イスラエルとガザの紛争における暴力的な敵対関係にただちに終止符を打つとともに、両者が誠実な交渉に戻るよう呼び掛けた。WEAのジェフ・タニクリフ総主事は、今年のより早い時期にベツレヘムで行った演説の中で、「キリスト教徒とイスラム教徒、あるいはユダヤ教徒の苦しみや悲嘆、そして絶望は人道に対する侮辱だ。彼らの苦しみや悲嘆、そして絶望は神に対する侮辱だ」と述べていた。WEAはまた聖地にいるキリスト教徒たちに加わって、彼らの国の平和のために祈るよう呼び掛けた。
さらに、ヨルダン及び聖地の福音ルーテル教会(ELCJHL)の監督である、ルーテル世界連盟(LWF)のムニブ・ヨウナン総幹事も17日、復讐と流血をやめるよう懇願し、イスラエルとパレスチナの敵対関係の即時かつ無条件の停止を求めるとともに、政治的解決とELCJHLへの支援を強く要求した。