【CJC=東京】教皇フランシスコは、バチカン(ローマ教皇庁)で20日行われた日曜正午の祈りの席で、中東やウクライナなどの緊迫した情勢に言及した。イラク北部モスルで、イスラム教スンニ派の過激派組織による脅迫を受け、キリスト者が現地を集団で脱出していることに対し、教皇は深い憂慮を表明した。バチカン放送(日本語電子版)が報じた。
教皇は、イラクをはじめ中東各地で古くから存在するキリスト教共同体が、他の住民との共存のもとに社会の善に貢献してきたその歴史にも関わらず、今日、迫害によって住み慣れた土地を何も持たずに追われていく状況に遺憾の意を表明した。
サンピエトロ広場の巡礼者はもとより全ての信者に向け、教皇は緊張と闘争の続く世界の地域、特に中東とウクライナのために祈りを呼び掛け、平和の神が皆の心に対話と和解への真の望みを呼び起こしてくれるようにとの願いを表明した。
教皇は「暴力には、暴力をもっては勝てない。暴力には平和で打ち勝つべき」と強調した。