【CJC=東京】教皇フランシスコが選出されて、3月13日で1年を迎えた。2013年3月13日、前教皇ベネディクト16世の引退に伴い行われた「コンクラーベ」(教皇選挙)で、アルゼンチン出身のブエノスアイレス大司教ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿が第266代目のローマ教皇に選出され、教皇名としてフランシスコを名乗った。
世界の各メディアが、教皇フランシスコ選出からの1年を振り返り、特集を組むなど、教皇が教会だけでなく世界に与えた影響は大きい。
バチカン放送は、バチカン(ローマ教皇庁)広報事務所長フェデリコ・ロンバルディ神父のインタビューを報じている。
「この1年で中心となったのは、人々の、すなわちカトリック信者だけでなく世界中の人々の、教皇フランシスコとそのメッセージに対する大きな関心でしょう。教皇を通して、愛や関心や憐れみや連帯の言葉に触れることで、人々が心の奥底に訪れる神の愛を感じることができたのではないかと思います」
「わたしにとってこの1年で特に印象に残ったエピソードはいくつもあります。もちろん、初めて教皇フランシスコがサンピエトロ大聖堂のバルコニーに現れた時のことはすべて忘れがたいものです。そして、聖木曜日の午後、少年院で教皇が行なった洗足式、また、ランペドゥーサ島訪問の際の、よりよい未来を求める希望と苦しみの旅の果てに、忘れられ、見棄てられた人々や、亡くなった人々に
対する教皇の深い連帯、リオデジャネイロでの世界青年の日大会での若者たちや、ラテンアメリカの信者たちとの出会い、アッシジ訪問なども思い出します」
「また、教皇フランシスコの心にある在位中の計画を明確に、広く、詳しく知ることのできる使徒的勧告『エヴァンジェリ・ガウディウム』や、今年2月に行われた公開枢機卿会議などもあります。これらの歩みからも、いかにこの1年の内容が濃いものであったか、そして、わたしたちがいかに様々な側面に触れ、多くの出会いを持ったかがわかるのです」
バチカン放送は、教皇は外に出て行く教会を望み、そのための構造改革が言われているが、教会は今どのように変わりつつあるのか、と同神父に質問した。
「教会はまさに歩む民そのものです。大きなダイナミズム、これが最たる特徴です。教皇はこれに大きな活力を与え、神のみ旨を求め、現代に皆の善のための使命を探し、世界の果てに向かう教会と共に歩みます。教皇はよく司牧者は群れの前と中と後ろを歩き、群れが歩み、道を見つけることを助けるようにと話します。教皇はまさにこのとおりに、教会全体に歩むように呼びかけています。この
強いダイナミズムは、特にここ数年のシノドス(世界代表司教会議)の歩みの中に見られます。教会は人間的・キリスト教的体験の中心として、今特に家庭について考察しようとしています」
教皇フランシスコの在位1年目として思い浮かぶ重要なイメージは何か、との問いに同神父は「特に、水曜日の一般謁見です。教皇は人々に囲まれ、挨拶や微笑をおくられながら彼らとお会いになり、特に病者のもとに留まります。カテケーシスの後で教皇が広場で最初にお会いになるのが病者であることは、大きな意味を持っていると思います。苦しむ人、弱い人は教皇と教会の中で第一の場を占めています。それは福音が優先することだからです」と答えている。