[1]序
今回は、ダニエル9章の前半・1~19節を。
[2]ダニエルの祈りの土台
(1)「預言者エレミヤにあった主のことばによって」(9章2節)
「この国は全部、廃墟となって荒れ果て、これらの国々はバビロンの王に七十年仕える。七十年の終わりに、わたしはバビロンの王とその民、──主の御告げ──またカルデヤ人の地を、彼らの咎のゆえに罰し、これを永遠に荒れ果てた地とする」(エレミヤ25章11、12節)
ダニエルは、普段から聖書を読み続けていた。
(2)約束に基づく祈り
神の約束故に祈り続けるのです。
(3)「顔を神である主に向けて祈り」(9章3節)
4節において、ダニエルはどなたに向かい祈っているかまず明らかにしています。
[3]祈りの内容
(1)罪の告白
①主の御声に聞き従わず、律法を犯し離れ去った過去の罪を「私たちの罪」として。
②特にエルサレムの滅亡について(9章7節、12節)。
③神の正義の現れとして(9章7節)。
(2)救いのための祈り
①神の正義に基づいて(9章16節)。
②「ご自身のために」(9章17節)。
③「あなたの大いなるあわれみによる」(18節)。
[4]結び
自らの民族、国家の過去、現在、未来に対するダニエルの祈りに学びます。
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宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。