津波被害の大きかった宮城県南三陸町の地で、2012年6月に設立され、地域支援の拠り所として大きな役割を果たしていた「クリスチャンセンター南三陸 愛・信望館」が、間もなくクロージングを迎える。
震災3周年の節目となる来月11日にはクロージングセレモニーが、追悼記念コンサートと併せて行われる予定だ。
クリスチャンセンター南三陸は、被災地の情報拠点として、ボランティア活動の基地として、また、日曜日には礼拝をささげる場所として広く利用されてきた。平日には茶話会など各種イベントの働きが行われている。
同センターを設立した「良き業・宣証共同体プロジェクト21」(2012年6月以前は「南三陸町を支えるキリスト者ネットワーク」)は、震災直後から「寄り添う」ことをテーマに被災住民と関わり、地道な心のケアを続けてきた。
その活動に共感した、やはり被災者である地主の方から、志津川駅に近い約100坪の土地が提供され、センター開設につながった。高台にある仮設住宅からも近かった。
また、震災からの出会いで関係が続く方の厚意により、1500坪の別の場所が貸与されることになり、将来のコミュニティーとして新たな活用が計画されている。その土地は被災者のための住宅開発が予定されているエリアにあり、これまで以上に拠点としての役割が期待される。
新しい村の中心地にまず教会を建て上げて、その後、周囲に自分たちの家々を建てていくという、アメリカ開拓時代の信徒の逸話が思い浮かぶ。
クリスチャンセンター南三陸の現場主事で、基督聖協団西仙台教会牧師の中澤竜生さんは、「今までどおりに茶話会などを続けますが、その時々に地域のニーズや個人の必要を見極めて、新しい働きを常に探りたい」と抱負を語る。
「施設の新しい名称が、コミュニティーセンターになるのか、グループホームのようなものになるのかはまだわかりません。2年3年かけて、ふさわしいかたちと役割を見つけていければと思います」と将来を見る。
これまでにクリスチャンセンター南三陸で働き手であった人たちが、別の場所でそれぞれのミッションに導かれていくことも期待されている。蒔かれた種が、見たことのない芽を出そうとしている。
■ クリスチャンセンター南三陸 愛・信望館
サイト:http://christiancenter.p2.bindsite.jp
支援献金先:http://christiancenter.p2.bindsite.jp/pg170.html
<3・11追悼コンサート + クロージング・セレモニー>
日時:2014年3月11日(火)午後2時~
会場:クリスチャンセンター南三陸 愛・信望館(アクセス)
<3・11追悼コンサート>
日時:2014年3月11日(火)午後5時~
会場:お茶っこはうすオアシス(宮城県石巻市、アクセス)