世界福音同盟(WEA)は現地時間11日、韓国の福音派教会の分裂的状況を理由に、今年秋に同国ソウルで開催を予定していた総会を延期すると発表した。
WEAは、今年10月19日から26日まで、ソウルの大型コンベンションセンター・COEXで6年に1度の総会を予定していた。4年前に同国での開催が決まり、これまで準備を進めて来たが、ホスト国となる韓国内の福音派教会の分裂により、特に開催1年を切った最近数カ月間は開催の準備に支障が出ていたという。韓国で総会の準備を進めて来た韓国基督教総連合会(CCK)も今回の延期については了承しているという。
WEAのCEO兼総主事であるジェフ・タニクリフ氏は、米クリスチャンポスト紙のインタビューに応じ、「特にこの数カ月間、韓国では論争と教会間の分裂があり、そのためにクリスチャンの一致に焦点を当てた総会を同国で開催するのが難しくなった。韓国の教会は国内の問題により焦点を向けることが必要な状況で、総会のホスト国となる前にこれらの問題を解決しなければいけなかった」と説明した。
タニクリフ氏は、韓国教会の分裂というのは主に組織に関するものだと指摘する。「韓国の多くのキリスト教徒は自らが福音派であることを自認している。それぞれの信仰の中核的な部分においてはほとんど同様だが、好みや様式といった点で違いがある。しかし、神学的な違いがあるとまでは言えないと思う」と話す。
前回の総会は南アフリカのケープタウンで開催されたが、今回の総会は過去の総会の中でも、その規模や内容から最も準備が必要な総会であるという。WEAは総会の年内開催は予定しておらず、開催は来年以降になる見込み。開催地は、韓国という選択肢を除外しないものの、参加者へのビザ発給や、世界各国からのアクセスなどを考慮し、候補地を今後検討する。新しい開催地、開催日は数カ月以内に発表するとしている。
一方、今回総会の延期は決まったが、総会と同時に予定されている地域別、国別の個々の会議やWEAの各種委員会については、それぞれ別の対応となる。WEAは、今回の総会延期が各会議や委員会の開催延期を強いることはないとしている。
国内問題のため総会が延期されることになったものの、WEAは「韓国教会の、韓国国内だけではなく世界宣教における、重要且つエネルギーに満ちたそのビジョンに感謝している」とし、依然として韓国教会の重要性を認め、同国の新しいリーダーシップのために祈るとしている。
また、タニクリフ氏は「これら全てのこと(総会が延期されたこと)は、ヨハネによる福音書17章でイエスが祈った祈りを思い起こさせるためのものだったと思う。イエスが(キリスト教の)2000年の道を見た時、イエスは我々が一つとなり、世界がイエスを知るようにと祈られたのだ」と言う。
タニクリフ氏は「そしてまた、今回のことはクリスチャンの一致のための働きというのは確かに私達の課題であるということを思い起こさせるものであった。私は、韓国の教会が世界中の他の教会と同じように、この(イエスの)祈りを成したいと思っていると確信している。そして、我々は、このイエスの祈りに応じられるよう、聖霊が我々を導いてくださるよう求めなければならない」と語った。