東京国際基督教会牧師の蔦田康毅氏が17日、「断食祈祷聖会2011」(同実行委員会主催)で講演し、中国と台湾の現状と宣教の展望を語った。蔦田氏は、日本への中国人留学生が今後増えるとし、「(宣教の対象は)土地ではなく人。(神は)入れないところから人を送るかたちで門戸を開いてくださっている」と語り、日本の諸教会に対して日本国内での中国人伝道の重要性を訴えた。
蔦田氏は、日本政府の国際化拠点整備事業(グローバル30)による留学生受け入れ体制の強化に加え、中国でも留学生を派遣する動きが今後さらに強まるため、日本の中国人留学生は急速に増えると指摘した。中国と台湾について「(日本が歴史的に)多くの返さなければならない負債を負っている国」と語り、「(中国や台湾の方々の)隣人となって、日本のクリスチャンが祈りながら立ち上がらせていただきましょう」と訴えた。
中国国内における教会の迫害状況については、「いつ、何が起こってもおかしくないという状況は変わっていない」とする一方で、政府非公認の家の教会が存在感を強めるなど、教会の成長が著しいことを強調した。
台湾については、クリスチャン人口が全人口の5%を近年初めて超えるなど、教会の成長が著しく、特に首都の台北市での成長が顕著だと指摘した。その背景のひとつとして、「教会に集まる人材、経済が結集されて使われている」とし、24時間放送のキリスト教放送局「GOOD TV」の働きなどを紹介した。芸能人にもクリスチャンが増えており、若者によい影響を与えていると語った。一方で、道教など他宗教の復興も近年目立っているとし、祈りが必要と訴えた。