【CJC=東京】教皇ベネディクト16世は6月27日、聖職者の性的虐待問題でベルギー警察が立ち入り捜査をしたことを「驚いており、残念」と批判した。個人的な発言自体が極めて稀なことであり、しかも国家を批判するのも異例。
教皇は教会自身が捜査する「自治」を強調、ベルギー警察の「嘆かわしいやり方」を批判した。警察が司教を拘留、ファイルを押収、ブリュッセル北方のメヘレン=ブリュッセル大司教区の大聖堂では枢機卿の墓にまで立ち入ったことを非難して、ベルギーの聖職者と司教会議議長のアンドレ=ヨセフ・レオナール大司教との「親近さと連帯」を表明した。
ベルギー・カトリック教会は、聖職者の性的虐待問題が相次いで明るみに出て、調査委員会を設置するまでになった。
6月24日、ルーベン警察が委員会の調査を指導している精神科医のペーター・アドリエンセンス氏の事件関係ファイルやコンピューターも押収した。教会とバチカンは、被害者のプライバシーが侵害された、と抗議した。
同日、メヘレンでも司教会議議長の前任者ゴッドフリード・ダンニール枢機卿が事務所としていた所を捜索、資料やパソコンを押収している。枢機卿自身が捜査の対象になっているか、は不明。
26日、法務相は、捜査は「正当に」行われた、と教会側の主張を否定した。