タイのプロテスタント教会では最大のタイ・キリストの教会(CCT)と米福音ルーテル教会(ELCA)がこのほど、両教団間の宣教協力に関する提携を結んだ。両教団はこれまで30年以上にわたって協力的な関係にあったが、今回それを文書で正式に発表したかたち。両教団の規模な差は大きいが、発表された文書では「対等なパートナーシップ」であることが明示されている。
今回の提携で両教団は、施設などの資産の共有、神学的問題に関する研究、宣教における共同の戦略・指針、宣教師、神学生、教授などを含む人材協力などの項目において協力関係を結んだ。
両教団はともに世界教会協議会(WCC)の加盟教団で、ELCAは1975年からCCTが運営する大学へ教職員を派遣したり、リーダーシップ養成プログラムを提供するなどのサポートを行ってきた。
ELCA世界宣教部門主任のY・フランクリン・イシダ氏によると、両教団間の宣教協力はすでに様々なレベルで行われてきたが、CCTがこれまでの関係を再検討し、今後の協力関係について一定の形式を与えることを要求してきたため、今回書面で双方の協力関係について明確化した。イシダ氏は、「今回の同意は、両教団間の尊敬とそれに伴うものを表すものだ」と語った。
タイは人口の約95%が仏教徒である仏教国であるが、CCTは1934年の設立以来成長を続け現在の信徒数は約13万人。2つの大学、2つの神学校、30の各種学校、7つの病院、ハンセン病患者のためのリハビリ施設を保有し、貧困者やエイズ感染者を支援する働きも行っている。
ELCAは米国第7位の規模の大教団で信徒数は約460万人、加盟教会は約1万教会。