次に訪問したのは、ある修道院。若い解説者が懇切丁寧に説明してくれた。訪問した時刻も遅く、写真撮影にも時間がかかった。青年とその家族や親戚の方々に、食べる物を持っているので夕食を一緒にどうかと尋ねると、食事を用意してくれて、食卓を囲みながら楽しい和やかなひとときを過ごした。
修道院の内外を見せてもらい、また驚きであった。天上には十字と、聖霊あるいは平和のシンボルのハトがデザインされていて、十字の先端部分を見れば、南インドの使徒トマス諸教会や景教碑の十字と似ていることに驚いた。
南インドで見た聖トマス諸教会の十字や先端のハトのデザインは似ている。その写真がこちらだ。
どうして菊のデザインがあるかが分からず、質問しても青年は分からないとの返答であった。菊のデザインはエルサレムの城壁の門の上部にも見られ、以前に訪れたキルギスのある家のひさしにも見られた。もちろん日本の各地で多く見られることは知られている。
※ 参考文献
『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
『景教碑の風景』(シリーズ「ふるさと春日井学」3、三恵社、2022年)
【著者の最新刊】
『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)
◇