経済的に困窮する単身者やひとり親家庭に食料品を無償配布する支援プロジェクトに取り組む東京都国分寺市の教会「ジーザス・コミュニティ」が、活動継続に必要な資金を集めるクラウドファンディングを始めた。光熱費の高騰や物価の上昇により、生活困窮者の状況がさらに悪化していることを受け、2025年3月までの活動継続を決めた。ジーザス・コミュニティの牧仕(牧師)である桜井知主夫(ちずお)さんは、「全国の生活困窮者からSOSの声が届いています。困窮世帯を助けたいと神に示された方にサポートしていただけたら」と話す。
コロナ禍を機に3年前から国分寺市周辺のシングルマザーを対象に活動を開始し、2年前に対象地域を全国に拡大した。現在では週に30件から40件の依頼が入り、毎週15件を選定して各世帯に約13000円相当の食料品と日用品を届けている。昨年度は2021世帯を支援したが、今年度はその数をさらに上回る見通しだ。
対象地域を全国に拡大するために実施した2年前のクラウドファンディングでは、目標額の800万円を超える約900万円の資金を集めた。問い合わせの対応や梱包作業などは全て教会関係者がボランティアで行っているため、支援金は一部の手数料を除いて全て食料品や生活用品の購入費、送料、梱包費といった実費に充てている。また、食料品は全てネットスーパーで仕入れ、賞味期限も比較的長期のものをそろえるなど、細部にまで気を遣っている。
支援を受け取った人たちからは、「見切り品や期限ギリギリの物しか買えず、新しい食品がたくさん入っていてとてもうれしかった」「生理用品を我慢していたのでとても助かりました」「箱から一つ一つ食料を取り出していくうちに自然と涙がこぼれ出てきました」といった感謝のコメントが次々と寄せられている。
桜井さんは、「この小さな教会に、生活困窮者に無償で食料を届ける働きを与えてくださったキリストに心から感謝しています。この働きをさらに継続するためには、皆様からのサポートが必要です。キリストの御心に応答して、『あなたは、わたしが空腹のときに食べさせてくれた』と主イエスからのお言葉を受け取ってほしい」と話した。
目標額は800万円。12月末まで募集を続ける。実際に支援を受けた人々の声やプロジェクトの詳細などは、クラウドファンディングのページ(https://camp-fire.jp/projects/view/686064?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_mypage_projects_show)を。