経済的に困窮する単身者やひとり親家庭に食料品を無償配布する支援プロジェクトに取り組む東京都国分寺市の教会「ジーザス・コミュニティ」が、急増する依頼者を一人でも多く助けたいと、全国の教会に協力を呼びかけている。ジーザス・コミュニティの牧仕(牧師)である桜井知主夫(ちずお)さんは、「『最も小さい者たちの一人にしたことは、わたしにしたのです』とイエス・キリストはおっしゃいました。私どもの活動への協力ではなく、イエス様の御心に賛同するという思いで、この働きに協力してくださる教会を求めています」と話している。
3年前に国分寺市周辺のシングルマザーを対象にした食料支援プロジェクトを立ち上げ、地元を中心に活動していたが、2年前に対象地域を全国に拡大。ネット検索で上位に表示されることもあり、現在では全国各地から、週に50件ほどの依頼が入るようになった。
だが、ボランティアの人手や予算が限られているため、毎週そのうち15件しか対応できていない。「収入が10万円以下のひとり親家庭に絞っても、毎週10件は支援から漏れてしまっています。本当に厳しい状況に置かれているこの人々を、どうにかして助けてあげたい。その悲しみをいつも覚えて祈る中で、今回の呼びかけに導かれました」
依頼者の同意が得られれば、協力を申し出た地域の教会に依頼者を紹介する。あとは、地域の教会が依頼者にコンタクトを取り、必要としている食料品や衛生用品などを購入し、無償配布するという流れだ。
ジーザス・コミュニティでは、1万3千円相当の食料品を全てネットスーパーで仕入れ、賞味期限も比較的長期のものをそろえるなど、細部にまで気を使っている。支援を受け取った依頼者からは、次のような感謝のコメントが寄せられている。
「離婚したばかりで仕事も貯金もなく、6歳の息子とどう生活していこうか困り、死にたいとさえ思っていましたが、こうやってケアパッケージを送っていただけて、中を見てみると、生理用品やコーヒーなど、子ども優先で全く買っていなかった物が入っていて、とてもありがたかったです」
「まず感謝より、驚きが先に来ました。本当に箱いっぱいに食料品や調味料が入っており、それに加えてマスクなどの生活必需品もあり、本当に必要なものを支援したいという思いが伝わり、涙が出るほどにうれしかったです。見ず知らずの私にここまでしてくれる方がいる。空腹が満たされるだけでなく、生きる気持ちも頂きました。感謝の言葉も見つからないほど、感謝の気持ちでいっぱいです。本当に、本当に、ありがとうございました」
「やりたいことはこれです」と桜井さん。「フードバンクでは、こうはなりません。それに加えて、見も知らない人がケアしてくれるという感覚が伝わることを願っています」
活動の何よりの動機は、「寄るべのない者に施しをするのは、主に貸すことだ。主がその善行に報いてくださる」(箴言19章17節)という聖書の言葉だ。
「実際に地域の教会につながる人々も起こされていますし、主が喜ばれ、報いてくださる働きだと実感しています。単発で結構ですし、こちらから指示を出したり、何か要請したりすることも一切ありません。私たちの近くに、本当に苦しんでいる方がおられます。その切実な声に、ぜひ耳を傾けていただきたいです」
申し込みは、専用ページを。
■ 案内チラシ