コロナ禍で生活に困っている低所得の単身者やひとり親家庭に食料品を無償配布する支援プロジェクトに取り組む東京都国分寺市の教会「ジーザス・コミュニティ」が、全国の教会で無償食料支援の働きが広がればと、希望する教会に1世帯分となる1万2500円相当の食料を初回に限って無償提供する取り組みを始めた。ジーザス・コミュニティの牧仕(牧師)である桜井知主夫(ちずお)さんは、「信仰によって一歩踏み出すことを素朴に励ますものです。それぞれの地域に遣わされている教会の皆様が立ち上がり、生活困窮者の方が一人でも多く助けられることを心から願っています」と話した。
2年前に国分寺周辺のシングルマザーを対象にした食料支援プロジェクトを立ち上げ、独身者や高齢者、大学生など、社会のさまざまな立場で困窮している人々に支援対象を広げていった。クラウドファンディングで資金を募り、先月からは対象地域を全国に拡大した。(関連記事:全国の生活困窮者に食料品を無償配布 国分寺の教会がクラウドファンディング)
申込者の大半は、シングルマザー。さまざまな理由で生活保護も受けられないなどの厳しい現実に「がくぜんとした」と桜井さんは話す。家がなく調理もできないという人に、食料の代わりにモバイルバッテリーを送ったケースもしばしばあったという。「離婚による精神的なダメージが大きく、それが仕事や子どもにも影響している場合が多くあります。コロナ禍で生活状況の厳しい方があまりにも多く、焼け石に水かもしれませんが、食料を受け取られる方が少しでも慰められ、頑張ってみようという思いが与えられることを願って活動しています」
「受けるよりも与える方が幸い」(使徒20:35)との御言葉に従い、昨年11月と今月の2回にわたり、「はこぶね便」を使って全国8千の教会に無償食料支援チャレンジの案内を送付した。継続的なサポートやネットワークづくりが目的ではなく、あくまで各教会が独自に、地域の生活困窮者を対象にした支援活動を始めることを励ますものだ。
「イエス・キリストは『最も小さい者にしたのは、私にしたのです』と言われました。小さな私たちの教会ですが、この御言葉に従い、何もないところから信仰の一歩を踏み出すことで、神が必要なものをすべて備えてくださいました。もし必要とされていれば、賛同される教会の最初の一歩をお手伝いしたいですし、今回の呼び掛けがどのような形であれ、全国の教会で無償食料支援の働きが広がる動きに少しでもつながることをただ願っています」
無償食料支援チャレンジの申し込みや詳細は、専用の案内ページを。
■ 全国の教会に送付した無償食料支援チャレンジの案内