英国国教会(聖公会)のトップであるカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーと、カトリック教会のトップであるローマ教皇フランシスコが9月30日、バチカン(ローマ教皇庁)で会談した。
2人は「長いプライベートな」会談の中で、移民問題や気候変動、紛争地域における教会の平和構築の役割などについて話し合った。会談後、カンタベリー大主教のホームページに掲載された発表(英語)によると、2人は移民が「世界のどのグループよりも貧困層に影響を与える」ことを思い起こし、教皇は西側諸国が気候変動に関して「無関心にむしばまれている」と述べたという。
会談は、21人の新たな枢機卿を叙任する枢機卿会議が開かれたのと同じ日に、教皇が住居として使用しているバチカン宮殿で行われた。
会談の中で2人は、2月にスコットランド国教会(長老派)のイアン・グリーンシェルズ議長(当時)と共に3人で行った南スーダンへの歴史的な共同平和構築巡礼についても触れた(関連記事:内戦で40万人死亡の南スーダン、教皇ら3教会のトップが「平和のエキュメニカル巡礼」)。
会談について、ウェルビー大主教は次のように述べた。
「親愛なる兄弟である教皇フランシスコとお会いできるのは、いつも光栄なことです。今日、私たちは南スーダンへの希望を分かち合い、移民問題と気候変動が世界の最貧困層に与える影響について話し合いました。私たちの教会が一致団結して、キリストの福音を必要としている世界に届けることができますように」
会談後、両教会の指導者は、バチカンのサンピエトロ広場で行われたエキュメニカルな祈祷会に参加した。祈祷会には、東方正教会のコンスタンティノープル全地総主教バルソロメオス1世も出席した。
ウェルビー大主教はこの他、ローマ聖公会センター内にあるジョン・ムーアマン記念図書館を訪れ、開館50周年を記念する展覧会のオープニングイベントにも出席した。