ロンドン郊外で13日、主要な宗教指導者らが集まり、英国初の「気候懺悔(ざんげ)式」が開催された。
式典には、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、仏教、シーク教、ヒンズー教などの宗教指導者らが参加し、気候変動の罪に対する赦(ゆる)しを求めた。
また、第27回気候変動枠組条約締約国会議(COP27)で、気候変動に対処しようとしている世界の政治指導者らに、謙虚さと行動を求めた。
COP27は、シナイ山から約200キロの位置にあるエジプト東部シャルムエルシェイクで6日から開催されており、18日まで行われる。気候変動による被害が大きい国々に対する資金援助や補償、温室効果ガス削減の公約、水不足への対策などが、主な議題となっている。
気候懺悔式には、英国からは英国国教会(聖公会)の前カンタベリー大主教であるローワン・ウィリアムズ氏が参加。海外からは、エジプトや米国、イスラエル、インド、スペインなどの宗教指導者らが参加した。
参加者は「気候懺悔のための10原則」と書かれた巻物を持ち、ロンドン北西部のパーラメントヒルで「懺悔行進」を行った。
<気候懺悔のための10原則>
- 私たちはこの世界の管理者である
- 被造物は神性を表している
- 命ある全ての存在は互いにつながっている
- 害を与えてはならない
- 明日のことを考えよう
- 私たちの世界のために、エゴを超えよう
- 私たちの内なる気候を変えよう
- 悔い改め、立ち返ろう
- 全ての行動に意味がある
- 知性を使い、心を開こう
その後、ニューノース・ロンドン・シナゴーグで約2時間の式典を執り行った。ウィリアムズ氏は式典で、次のように語った。
「人間は、私たちの大切な地球に計り知れない害を及ぼしてきました」
「気候について悔い改めるとは、私たち全員が気候に関する罪に対して手を挙げ(罪を認め)ることです。それはあまりにもしばしば、このような(気候変動についての)会話から欠落してしまっていることです」
「私たちは、過去と現在を深く認識したときにのみ、未来の気候の正義のために必要な、勇気ある変化を起こすことができるのです。気候懺悔のための10原則は、その未来への道を示しているのです」
また、気候変動に対する積極的な行動から「緑の総主教」として知られる、東方正教会のコンスタンティノープル全地総主教バルソロメオス1世は、次のように述べた。
「自然の乱用とその資源の利己的搾取は、創造主である神と創造の賜物に対する罪なのです」