幕末期に医療宣教師として来日したジェームス・カーティス・ヘボンの私塾「ヘボン塾」に始まる明治学院大学が来年4月、創立160年余りの歴史で初となる理系学部を開設する。
開設するのは「情報数理学部」。文部科学省の大学設置・学校法人審議会が8月30日、設置認可を答申。永岡桂子文部科学相が今月4日、正式に認可した。
同大は、情報数理学部の開設決定を伝える発表で、「1863年のヘボン塾創設以来、常にさまざまな形で多様性を追求してきた」としつつ、大学初となる理系学部の設置により、総合大学として一層バランスの取れた人材育成を目指すとしている。
情報数理学部は現在のところ、情報数理学科の1学科のみで、定員は1学年80人。横浜市戸塚区にある横浜キャンパスに設置される。
情報数理学部の特設ページは、人工知能(AI)を中心とする情報技術が急速に発展している状況に触れつつ、「情報数理分野はさらに重要性を増し、情報数理を修めた人材が求められていくでしょう」とし、「情報と数理の力で、人が主役のAI社会を創る」と掲げている。
1・2年次は、基礎科目や共通科目のほか、情報倫理やプログラミングなどを学ぶ。3・4年次は、「数理・量子情報」「AI・データサイエンス」「情報システム・セキュリティ」の3コースに分かれ、学生の志向や卒業後の進路に合わせた履修ができるようになっている。
また、既存の学部や組織との有機的な連携を促進する「情報科学融合領域センター」も開設する。センターは、学外との産学官連携の窓口にもなる。さらに、今後は情報数理の大学院設置に向けた構想も始める予定だとしている。