西アフリカでは、今年に入ってから1800件以上のテロ攻撃があり、4600人近くが死亡した。西アフリカの国々の中で、最も犠牲者の多い国がブルキナファソだ。ブルキナファソでテロの脅威が高まっている理由は、近隣国から国境を超えてくる越境型テロリズムの存在が挙げられる。
ブルキナファソは、マリと非常に長い国境を接しており、近年マリでの治安が非常に不安定化している。マリでは多くのテロ活動が起きている。それらのテロリストの多くが国境を越えてブルキナファソにも入ってきているのだ。
テロリストらは、国境を超えた外国の地で、暴力や略奪、誘拐などのテロを行う。そして今度は、国境を超えて自分の国に帰る。国境を越えることで、警察権の管轄が変わるため、テロリストたちは捜査を免れることができる。
警察が国境を越えると、今度はこれが主権侵害や外交問題に発展する。テロリストたちはこの点を利用して、治安当局の追跡を免れながら、国をまたいでヒット・アンド・アウェイで暴虐を繰り返す。
西アフリカにおけるテロ活動のほとんどは、イスラム教のカリフ制を目指すイスラム過激派グループによるものだ。その多くはキリスト教徒、牧師、教会を標的にしている。
10年前までブルキナファソは、西アフリカの中でも安定している国と見られ、教会や信者に対する迫害は多くはなかった。近年のテロの増加は、ブルキナファソの牧師たちには想定外で、心の準備もできていなかったようだ。
必ずしも迫害に慣れていたわけではないブルキナファソの教会と信者たちだ。彼らが心を武装して、あらゆる事態にあって驚かされることなく、主に信頼して堅く立つことができるように祈ろう。
迫害の中、彼らが希望を失わず、どのように振る舞うべきか、知恵と勇気、力が与えられるよう祈っていただきたい。
■ ブルキナファソの宗教人口
イスラム 52・2%
プロテスタント 9・2%
カトリック 11・5%