最近発表された統計によると、米国最大のプロテスタント教団である南部バプテスト連盟(SBC)は、2022年に45万人以上の会員を失い、過去100年余りで最大の減少を記録した。
米キリスト教世論調査機関「ライフウェイリサーチ」は9日、SBCの最新の年次統計である22年の「年次教会概要」(ACP、英語)を発表した。それによると、22年は受洗者数や礼拝出席者数が増加した一方、会員数は21年の約1368万人から約45万7千人減って、約1322万人となった。
ライフウェイリサーチは、SBCはこの3年間、毎年約3%の会員減少に苦しんでいるとし、22年の会員数は、1970年代後半以降で最も少ない会員数だと強調した。
22年の会員数約1322万人は、1950年の約700万人を大きく上回っているものの、ピーク時である2006年の約1630万人と比べると、300万人以上少ない。
教会数は、21年の4万7614件から416件減少し、4万7198件となった。この416件には、閉鎖を余儀なくされた教会と、さまざまな理由でSBCからの離脱を決めた教会の両方が含まれていると考えられる。
会員数や教会数は減少した一方で、受洗者数は16%、対面礼拝の出席者数は5%、スモールグループの出席者数は4%、献金額は2%、いずれも前年より増加し、SBCにとって明るい兆しとなった。
特に受洗者数は、22年は18万177人で、21年の12万3160人を6万人近く上回った。しかしそれでも、ピーク時である1972年の44万5725人を大きく下回っていることに変わりはない。
ライフウェイリサーチのスコット・マコーネル所長は、会員数減少の大きな要因が、会員の登録情報を最近更新したことにあると推測している。
「私たちが見ている会員数の減少の大半は、何年も前に各教会に所属するのをやめた人たちを反映しており、会員の登録情報の更新はようやく追いついてきています。教会の会員数の合計は、死亡や退会による減少のみならず、増加も逐一反映させていますが、多くの教会は、もう所属していない人の登録を抹消するのに時間がかかっています」
米国の大半のプロテスタント教団とは対照的に、SBCは20世紀後半から2000年代前半にかけて、会員数の増加が続いた。しかし、近年は他の教団と同様、会員数の減少が続いている。
全米最大の長老派教団であるアメリカ合衆国長老教会(PCUSA)も今月初め、年次統計を発表したが、22年の会員数は前年に比べて約5万3千人減少し、約114万人にまで落ち込んだことが明らかになっている(関連記事:米長老教会、教勢低下続くも「信仰告白」の件数や新規教会数は増加)。