イスラエルのキリスト教人口がわずかに増加しており、その多くをアラブ系住民が占めていることが、当局による最近の発表で明らかになった。
イスラエル中央統計局(CBS)の発表(英語)によると、同国に居住するキリスト教徒は推計18万2千人で、2021年を通して2%増加し、総人口の1・9%を占めた。また、そのうち75・8%はアラブ系で、同国に居住するアラブ系住民の6・9%を占めた。
アラブ系キリスト教徒の多くは、同国に6つある行政地区のうち、最北部に位置する北部地区(70・2%)と、北西部のハイファ地区(13・6%)に居住している。都市別では、ナザレ(2万1100人)が最も多く、次いでハイファ(1万6700人)、エルサレム(1万2900人)、シェファルアム(1万500人)だった。
一方、非アラブ系のキリスト教徒は、西部のテルアビブ地区と中央地区に39・0%が居住し、36・3%が北部地区とハイファ地区に居住している。
世帯の平均人数は、キリスト教徒の世帯は3・06人で、ユダヤ教徒の世帯(3・05人)とほぼ同じだったが、イスラム教徒の世帯(4・46人)より少なかった。
一方、子どもの数に関しては、17歳以下の子どもを持つキリスト教徒の家庭における子どもの平均人数は1・86人(アラブ系の場合は1・94人)で、ユダヤ教徒の家庭(2・42人)や、イスラム教徒の家庭(2・62人)よりも少なかった。
教育は、アラブ系キリスト教徒の52・9%が高校卒業後8年以内に高等教育に進んでおり、その割合は他のアラブ系(31・2%)や、ユダヤ系(48・2%)よりも高いことが明らかになった。
大学でキリスト教徒の学生が選択する専攻は、音楽(15・7%)、経営情報システム(10・5%)、食品工学・技術(9・9%)が多く、それ以外の学生とは異なる結果となった。キリスト教徒の学生は、イスラム教徒の学生に比べ、社会科学、数学、コンピューター科学、統計学を学ぶ傾向が強かったが、教育、ビジネス・経営、パラメディカルの学位を取得する割合は低かった。
キリスト教徒の大学院生に占める女性の割合は、博士課程が65・2%、修士課程が73・8%で、それぞれ平均の53・1%、64・2%よりも高かった。
また、2021年におけるキリスト教徒の労働力率(15歳以上の人口に占める労働力人口の割合)は、66・3%(男性69・2%、女性64・1%)だった。