日本カトリック正義と平和協議会は20日、「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有などを明記した「安保関連3文書」の閣議決定に抗議し、撤回を求める声明を発表した。
政府は16日、「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の3文書を閣議決定した。3文書の内、外交・防衛の基本方針を示す「国家安全保障戦略」と、防衛の目的と手段を示す「国家防衛戦略」には、敵のミサイル発射基地など攻撃する反撃能力の保有を明記した。
これは、日本の安全保障政策における大きな転換とされる。同協議会は「専守防衛を図る従来の基本方針を事実上放棄し、日本を軍事大国化する全面的転換」だと指摘。反撃能力の保有は、憲法9条が禁じる「武力による威嚇」に他ならないとし、憲法違反だとした。
また、ローマ教皇フランシスコが2019年の来日時に語った言葉を引用し、抑止力の強化による安全保障は「恐怖と不信の心理から支持された偽りの安全保障」だと批判。「日本が進むべき道は、日本国憲法の前文と第9条を活(い)かした平和外交であり、紛争を『対話によって』解決する平和の枠組み作りの役割を果たすこと」などと訴えた。