米国第2のプロテスタント教団である合同メソジスト教会(UMC)の地域組織が、米国のプロテスタント主流派では初めて、ネイティブアメリカンの監督を選出した。
監督に選出されたのは、UMCのオクラホマ・インディアン伝道会(OIMC)で監督補佐を務めていたデイビッド・ウィルソン牧師(59)。UMCの公式メディア「UMニュース」(英語)によると、テキサス州ヒューストンで2日に開かれたUMC南中央地域会の会議で、ウィルソン氏は1回目の投票で、有効投票数151票中92票を獲得して選出された。UMCの地域会は、複数の年会(教区に相当)を束ねる地域組織。
ウィルソン氏はこれまで、OIMCの総理を19年、北オクラホマシティー・ネイティブアメリカン・ミニストリーの主任コーディネーターを8年、OIMCのプロモーションと通訳のディレクターを7年務めてきた。また、オクラホマ州の幾つかの教会で牧師を務め、ノースイースタン州立大学のネイティブアメリカン・キャンパス・ミニストリー・プログラムの担当牧師も務めている。
当選直後に開かれた記者会見(英語)で、ウィルソン氏は、ネイティブアメリカンがキリスト教を信じ、次第にメソジスト教会で宣教の役割を果たすようになっていった歴史について話した。
「人々は、『歴史的経緯を考えたとき、なぜネイティブアメリカンは(彼らを弾圧した側である)メソジスト教会やキリスト教の一員になりたがるのでしょうか』とよく尋ねます」
「キリスト教を見、(メソジスト教会などの)長老たちに話を聞くと、その前提は私たち(ネイティブアメリカン)の霊性にとてもよく似ているのです。お互いを大切にし、愛し合う。それがキリスト教の本質なのです」
ウィルソン氏は、自身の祖先が強制的に西部に移住させられた後、「彼らが最初に行ったことの一つが、メソジスト教会を再建することでした」と説明した。そして、「私たちは、UMCであることを誇りに思います。オクラホマ州で行っている活動を誇りに思います」と付け加えた。
ウィルソン氏の他には、リオテキサス年会の首都部会総理であるローラ・メリル牧師と、グレートプレーンズ年会の監督補佐であるディー・ウィリアムストン牧師が、南中央地域会の監督に選出された。
ウィリアムストン氏は、南中央地域会史上初のアフリカ系米国人女性監督であり、こちらも歴史的な出来事となった。UMニュース(英語)によると、ウィリアムストン氏は次のように語った。
「神は、私たちにとり初となるアフリカ系米国人女性監督の選出のため、南中央地域会に臨まれました。(中略)私がこの瞬間、ここにいるために、多くの人々が犠牲になってきました。ゆっくりとではありますが、私たちは前進しているのです」