カナダ最大のプロテスタント教団であるカナダ合同教会(UCC)は23日、カルメン・ランズダウン牧師(47)を第44代総会議長に選出した。ランズダウン牧師は、カナダの先住民ヘイルツク族の出身で、先住民出身の総会議長はスタン・マッケイ牧師(在任:1992~94年)に続き2人目。先住民出身の女性としてはこれが初めてで、任期は3年。UCCが同日、公式サイト(英語)で発表した。
ランズダウン牧師は、西部ブリティッシュコロンビア州アラートベイ出身。バンクーバー神学校卒業後、2007年に按手礼(あんしゅれい)を受けた。16年には米カリフォルニア州バークレーの神学大学院連合(GTU)で博士号を取得。UCC内のさまざまな役職に就いてきたほか、世界教会協議会(WCC)では、06年から13年まで執行委員会や中央委員会の委員を務めた。現在は、バンクーバーにある教会母体の奉仕団体「ファースト・ユナイテッド」の代表を務めているが、総会議長就任を受け離任する予定。
今回の総会議長選の候補者はランズダウン牧師のみで、無投票で当選が決まった。ランズダウン牧師はUCCのビジョンを述べる中で、次のことに力が注がれるべきだと語っている。
「新しいつながりを築き、古いつながりを再構築すること。世界が大切にされ、人間の尊厳が尊重されるような社会の変化に向けて努力すること。悔い改めと和解のために日々共に歩むこと。不公正なシステムを変えるために、共に歩み、戦い、変えること。共に祈ること。共に歌うこと。そして、共に見極めること」
UCCのマイケル・ブレア総幹事は、ランズダウン牧師の選出について、「教会全体で大きな興奮が起こっています。彼女は、教会が熱望する深い霊性や大胆な弟子の道、大胆な正義を体現しています」と語った。
新型コロナウイルスのパンデミックのために、18年から異例の5年にわたり総会議長を務めた現職のリチャード・ボット牧師は、次のように語った。
「新たな総会議長がこの重要な時期に教会を導いていくのをサポートすることを楽しみにしています。力強い声を持つランズダウン次期総会議長は、教会と世界に必要な変革を導くために、生きた経験、知恵、そしてあふれるばかりの賜物を用いてくれるでしょう」
UCCの第44回総会は、97年に及ぶUCCの歴史の中で初めてオンラインで開催されている。期間は2月13日から8月7日までの約半年にわたり、ランズダウン牧師の就任式は、総会最終日の8月7日に、バンクーバーのカナダ記念合同教会で行われる閉会礼拝の中で執り行われる予定。