日本キリスト教協議会(NCC)は18日、世界平和統一家庭連合(旧統一協会)の問題に関する声明を公式サイトで発表した。
声明は旧統一協会について、キリスト教を装い、聖書を著しく歪曲した独自の「原理講論」を絶対化した上で、旧統一協会のみを正統だとし、他の宗教や思想に触れることを禁じていると指摘。旧統一協会の問題は、「憲法20条が保障する『信教の自由』を侵害する問題」だとしている。
また、問題が指摘されている高額な献金については、信者がそうせざるを得ない教育システムが存在するとし、「一人の人間を(旧)統一協会の枠に取り込むことは、信教の自由を奪う行為(マインドコントロール)」だと強調。合同結婚式をした旧統一協会の信者の間に生まれた子ども(祝福2世)が抱える問題については、「信仰的・教育的虐待」だとした。
その一方で、「正統な教理を擁護するキリスト教諸教派においても、同様な歪んだ教会形成は大いに戒められ、強要されない自由が保障され、健全な教会形成が求められている」とした。
旧統一協会の日本と韓国を巡る教義については、両国の歴史問題を悪用したものだと批判。旧統一協会は、韓国を「アダム国」、日本を「エバ国」と位置付け、「悪を行ったエバ(日本)はアダム(韓国)に対して罪を償わなければならない」と教え、韓国側に多額の送金を続けてきたとした。その上で、こうした教義や行為は、「私たちが大切にしている『日韓の和解と平和』への挑戦以外の何物でもありません」と表明している。