ルーテル世界連盟(LWF)前議長のムニブ・ユナン監督(69)が、世界平和統一家庭連合(統一協会)主催の「鮮鶴(ソンハク)平和賞」を受賞したことで、物議を醸している。
韓国クリスチャントゥデイ(韓国語)によると、ソウル近郊のコンベンションセンター「キンテックス」で5日、統一協会の創設者・文鮮明の生誕100周年を記念した第4回鮮鶴平和賞授賞式が開催された。
ユナン監督は、文の妻で、現在、統一協会のトップである韓鶴子(ハン・ハクチャ)から直接賞を授与されたという。この他、国連の潘基文(パン・ギムン)前事務総長(75)も、文の生誕100周年を記念した特別賞を受賞した。受賞者には、それぞれ50万ドル(約5500万円)の賞金とメダルが授与されたとされている。
ユナン監督の受賞についてLWFは、同賞が統一協会主催のものであることを認識しているとした上で、幾つかの加盟教団から懸念する声が上がっていたことを認めた。ユナン監督にはこうした懸念を伝えたが、「個人として受賞する」と返答があったとし、「LWFと加盟教団は、統一協会とはまったく関係がない」と説明した。
ユナン監督の受賞をめぐっては、LWFに加盟する韓国唯一のルーテル派教団である韓国ルーテル教会(LCK)や、LCKが加盟する韓国キリスト教協会協議会(NCCK)も、事前にLWF側に懸念を伝えていたという。
LWFは世界98カ国145のルーテル派教団が加盟する連合組織。日本では、日本福音ルーテル教会、日本ルーテル教団、近畿福音ルーテル教会の3つの教団が加盟している。ユナン監督は2010年から7年間、議長を務めた。16年には議長として、マルティン・ルターの宗教改革500周年を記念し、カトリック教会のローマ教皇フランシスコと共同声明を発表。17年には、日本の庭野平和財団が主催する第34回庭野平和賞を受賞している。