ロシアによるウクライナ侵攻開始から半年が経過した節目に、ウクライナの平和のために祈ろうと、現地で難民支援などの活動を続けるキリスト教系NGO「オペレーション・ブレッシング・ジャパン」(OBJ)が3日、オンラインで祈り会を開いた。ウクライナから家族と共に日本に避難してきたウクライナ人宣教師のナディアさんが自身の体験を語り、参加者は今も苦しみの中にあるウクライナの人々を覚えて祈りをささげた。
ナディアさんは現在、沖縄にあるキリスト教系の保育園に勤めている。ロシア軍の侵攻により、空襲の警報が絶えず鳴るような状況に身の危険を感じ、来日を決意。金銭面やビザの取得などに苦労したが、日本政府がウクライナ難民の受け入れを開始したことで3月末に母親と共に来日することができた。
侵攻直前には、神の不思議な導きを体験した。ナディアさんの家族は、住んでいた西部のザカルパッチャ州から、ロシア軍の侵攻で甚大な被害を受けることになる東部の都市ブチャへの引っ越しを計画していた。侵攻が始まる前に良い家が見つかったため、ブチャ行きの鉄道切符も購入していたという。しかし不思議にも、新型コロナウイルスの感染拡大により、住んでいた地域が隔離区域になったことで、ブチャに行くことが突然できなくなった。
家族全員で神の導きを求めて祈った後、父の提案でブチャとは正反対に位置する別の都市に移住することを決めた。その都市で新しい家を購入したのは、侵攻開始前日の2月23日だった。「そのように導いてくださった神様と、神様の導きに忠実に従った両親に心から感謝しています」
ナディアさんは、日本にはこれまでにも短期宣教旅行で度々訪れていたが、新型コロナウイルスの影響で日本に入ることができなくなっていた。それでも日本に対する思いは変わらず、宣教チームのスタッフと毎週オンラインで祈り会を開き、日本に行く扉が必ず開かれると信じて祈り続けていたという。
「全てのことは神様の不思議な導き」とナディアさん。「日本がクリスチャン人口の多いウクライナ人の難民を受け入れてくれたことによって、日本で確実にクリスチャンが増えていくように神様が導いてくださったのだと思っています」と語った。
侵攻開始後、ナディアさんの家族は、東部などにいた親族たちを新しい自宅に受け入れ、13人の大家族で生活していた。その時、神に示されたことがあったという。「日本のクリスチャンの皆さんを励ましたい」と、次のように語った。
「私たち一人一人は性格も異なりますし、時には意見が対立するときもあります。しかし私たちが一つになれば、困難な状況を乗り切ることができます。どのような教派に属していたとしても、どのような形式で神様を礼拝していたとしても、私たちは皆クリスチャンで、一つの家族なのです。私たちがキリストを信じる者として一つになるならば、日本にリバイバルは訪れます」
最後にナディアさんは、「何があっても神様を信頼して忠実に従い続け、たとえおかしなことだと周りから思われたとしても、神様の約束を最後まで握りしめて歩んでください。神様が、私たちと私たちの家族、教会、働きを守ってくださるように。私たちが最後まで忠実であり、信仰を失わないよう助けてくださるように」と話した。