ハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構、大阪府八尾市)と西南学院大学(福岡市)がこのほど、包括的連携協定を締結した。同大はハンガーゼロと協力し、2003年から毎年、フィリピンの貧困地域で海外ボランティア・ワークキャンプを実施しており、協定締結により今後さらに広範囲な分野での連携・協力を目指す。
5月23日に同大で行われた調印式には、ハンガーゼロの清家弘久理事長と同大のG・W・バークレー学長が出席。同大の発表によると、清家氏は「学生には、『人の役に立つ』ということを実感できる、その重要性を社会に出てからも忘れないための経験を学生時代にしてほしい。この協定が単なる紙切れで終わってしまうのではなく、真の関係を構築したい」とコメント。バークレー氏は、「フィリピンでの海外ボランティア・ワークキャンプは、キリスト教の『隣人愛』を実践できる場であり、その後の人生に大きな影響を受けた学生も多く存在する」とし、今後もハンガーゼロと協力しながら、他者に心から寄り添える人を社会に送り出していきたいと語った。
協定は、より広範囲な分野における連携・協力と、地域や国際社会に貢献する人材の育成を目的としている。今後は、同大での講演会、出前授業、フィリピンやカンボジアなど海外におけるフィールドワーク支援、両者の職員交流などを行っていく考え。
ハンガーゼロの発表によると、協定の期間は3年。ハンガーゼロが大学と協定を締結するのは、19年の東京基督教大学(千葉県印西市)、20年の富山国際大学(富山市)に続いて3例目。一方、同大がNGOと協定を締結するのは今回が初めて。
ハンガーゼロは、20カ国以上で活動する国際NGO「国際飢餓対策機構」(FHI)の日本におけるパートナー団体。同大は、米南部バプテスト連盟(SBC)の宣教師C・K・ドージャーが創立者で、いずれもキリスト教系。