米最大のプロテスタント教団である南部バプテスト連盟(SBC)は14日、第一バプテスト教会(テキサス州ファーマーズビル)のバート・バーバー牧師を新議長に選出した。
SBCはカリフォルニア州アナハイムで年次総会を開催し、バーバー氏はこの日、新議長を決める決選投票で3401票(得票率60・87%)を獲得。昨年選出されたエド・リットン議長の後任として、今後1年SBCの舵取りをすることになる。リットン氏は3月、議長選への不出馬を表明。1期目の現職議長が不出馬を表明するのは、SBCとしては数十年ぶりのことだった。
議長選には、バーバー氏の他に、グレース・バプテスト教会(フロリダ州)のトム・アスコル牧師、ノース・メトロ・バプテスト教会(ジョージア州)のフランク・コックス牧師、中西部バプテスト神学校のロビン・ハダウェイ教授(宣教学)が立候補。カルバリー教会(フロリダ州)のウィリー・ライス牧師も候補者の一人だったが、性的不品行を行った経歴のある元公立学校教師を、自身の教会の執事に任命していたことで批判が起こり、4月に立候補を取り下げている。
SBC牧師会議のマット・ヘンズリー議長は4月に発表した声明で、バーバー氏について「最高の状態にあったときの南部バプテスト連盟を体現する人物」と述べ、推薦していた。ヘンズリー氏は、SBCのニュースサイト「バプテスト・プレス」(英語)で次のように述べている。
「私が、彼から10マイル(約16キロ)ほど離れたところで宣教を始めたときも、600マイル(約千キロ)離れたところで牧会していたときも、私がミニストリーの浮き沈みを乗り切るとき、彼は相談や助けを求める電話の先にいました」
「私は今、協働宣教師、また牧師仲間として、彼が家族をよく愛し、注意深く教会を牧会しており、また、牧師たちを励まし、私たちの連盟の一致を促進することにさえ時間を割いていることを証しする最前列にいるのです」
6847票が投じられた第1回投票で、バーバー氏は47・58%の得票率でトップを獲得。次いで、アスコル氏が34・06%、コックス氏が12・95%、ハダウェイ氏が4・97%の得票率だった。その後、第1回投票で過半数の票を得た候補者がいなかったため、バーバー、アスコルの両氏による決選投票が行われた。
アスコル氏はSBCの中でも強固な保守派として知られ、3月に立候補を表明していた。アスコル氏はバプテスト・プレス(英語)に対し、「私はSBCを愛しており、神がこの連盟の中で、またこの連盟を通してしてくださったすべての素晴らしいことに感謝している」ために立候補するのだとして、次のように述べていた。
「私は、SBCの普通の教会が発言権を持ち、私たちの組織や団体に、所有者たる教会への責任を持たせることができるよう、軌道修正が必要であると信じています。そうしなければ、私たちは世界中にイエスの福音を広めるべく団結する、多くの機会を失うことになるでしょう」
決戦投票では5587票が投じられ、バーバー氏が3401票で得票率60・87%、アスコル氏が2172票で得票率38・88%となり、バーバー氏が勝利した。
SBCの年次総会は14日から15日までアナハイムで開催され、約1万1千人が出席した。そのうち、投票権を持つ代議員は8095人だった。