モスクワ総主教庁系のウクライナ正教会(UOC)に所属する28の教会・修道院が離脱し、非モスクワ総主教庁系のウクライナ正教会(OCU)に加入した。
ОCUは3月26日、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから1カ月間で、28の教会・修道院がUOCを離脱し、ОCUに正式に加入したことをフェイスブック(ウクライナ語)で明らかにした。離脱したのは、リビウ、イワノフランキフスク、フメリニツキー、ザカルパッチャ、テルノーピリ、リウネ、ボルイン、キーウ(キエフ)、チェルカースィ各州の教会で、リビウ州の2つの修道院も含まれている。
OCUは、「私たちは、各地域のウクライナ正教会の兄弟姉妹に愛情を持って祝意を表します。これは始まりにすぎず、私たちは多くの聖職者、信者の『目が開く』ことを確信しています」と強調。「皆さんが、おのおのの良心と心で選択する時が来ました。皆さんは侵略者、つまり、民間人を冷酷に殺害する者たちに味方するか、皆さんの生まれ故郷やそこにいる人々、また、そこにある教会に味方するかのどちらかです」とした。
その上で、ロシアのウラジミール・プーチン大統領やロシア正教会のモスクワ総主教キリルらが共通して持つとされる思想「ルースキーミール(ロシアの世界)」の支持者にならないようにと要望。「神から与えられた土地で、自分の民と共にいてください。そして、私たちを守っている兵士たちのために祈ってください」と求めた。
OCUの首座主教であるエピファニー府主教もこの日、自身のツイッター(ウクライナ語)に、「ウクライナのさまざまな地域にある数十の教会と数多くの修道院が、自発的かつ意識的に教会法上の義務を果たし、『独立のトモス』(OCUの独立を認める公文書)に従っています。彼らは教会(OCU)とウクライナを支持する選択をしました」と投稿した。
OCUはこれに先立ち、3月21日に開催した聖シノド(主教会議)で、モスクワ総主教庁と関係を断ち、OCUへの加入を決めた教会向けに、「ウクライナ正教会加入に向けた緊急手続きについて」と題した決議案(ウクライナ語)を承認していた。