カトリック中央協議会は22日、3月18日の「性虐待被害者のための祈りと償いの日」を前に、日本カトリック司教協議会会長の菊地功大司教(東京大司教区)による呼び掛けの文書(17日付)を公式サイトに掲載した。菊地大司教は文書で、「無関心や隠蔽(いんぺい)も含め、教会の罪を認める」とし、「被害を受けられた方々が神のいつくしみの手による癒やしに包まれますように、ともに祈ります」と述べた。
菊地大司教は、児童性虐待を含め、聖職者による性虐待は「日本の教会も例外ではありません」と指摘。「教皇フランシスコは、聖職者によって引き起こされたこの問題に、教会全体が真摯(しんし)に取り組み、その罪を認め、ゆるしを請い、また被害にあった方々の尊厳の回復のために尽くすよう求めておられます」と述べた。また、司教団によるガイドライン制定などの取り組みを挙げ、「日本の教会が、いのちの尊厳を守り抜くための努力を怠らない教会共同体であるように、努めてまいります」と決意を述べた。
その上で、「わたしたち聖職者がこのような罪を繰り返すことのないように、信仰における決意を新たにし、愛のうちに祈り、行動したい」と述べ、「どうぞ、四旬節第2金曜日に、またはその近くの主日に、教皇様の意向に合わせ、司教団とともに、祈りをささげてくださいますようにお願いいたします」と呼び掛けた。
「性虐待被害者のための祈りと償いの日」は、教皇フランシスコが各国の司教団に制定を指示したもので、日本では2016年に四旬節第2金曜日とすることが決まった。被害者の痛みや苦しみに寄り添い、祈りと償いのうちに過ごす機会として、翌17年から毎年この日に合わせてミサがささげられるなどしている。今年は3月18日が該当する。