ヒンズー国粋主義の台頭によって、インドでは昨今キリスト教徒への迫害が強くなっている。南部のカルナータカ州の州政府が、州議会に改宗禁止法を提出したため、ここ数週間での迫害が増加している。
同州では昨年、32件のキリスト教徒への攻撃があり、そのうち5件は、改宗禁止法案が提出されてから1カ月間以内に起きたものだ。法案提出と迫害の相関関係があるのだ。法案支持者らは、改宗を禁止すべきだと考えているが、主要な人権団体は、彼らは法案を悪用しているにすぎないと見ている。米国際宗教自由委員会(USCIRF)などは、改宗禁止法は「非ヒンズー教徒に対する冤罪(えんざい)、嫌がらせ、暴力の根拠となっている」と述べている。
インド全28州のうち、おおよそ3分の1が改宗禁止法を持っているという。最新の報告書では、カルナータカ州はウッタルプラデーシュ州(66件)、チャッティースガル州(47件)に次いで、キリスト者への迫害の件数が多い州だ。カルナータカ州では、まだ反改宗法が制定されていないにもかかわらず、過激なヒンズー主義者は、法律がすでに存在するかのように行動しているという。
彼らは、自分たちの暴行を正当化するために、キリスト教徒が人々を強制的にキリスト教に改宗させているとデマを広めているのだ。
州都ベンガルールの警察当局は、議会期間中は祈り会を開かないようにと教会に圧力をかけている。
USCIRFは、インドに関する最新の報告書の中で「2020年に暴徒がキリスト教徒を襲い、教会を破壊し、宗教的礼拝を妨害した」と報告しているが、これは改宗禁止法が暴徒をあおったものだと言われる。さらにUSCIRFは「多くの場合、当局はこれらの虐待を防がず、加害者の責任を追及する嘆願を無視するか、捜査しないままでいる。このことが、暴徒による攻撃の増加と、告発する被害者への報復の恐怖を助長している」と述べた。
吹き荒れる迫害の嵐に負けず、新生した同胞兄姉らが伝道に励み、インドの大いなる霊的収穫につながるよう祈っていただきたい。
■ インドの宗教人口
ヒンズー 74・3%
プロテスタント 3・6%
カトリック 1・6%
イスラム 14・3%
英国教会 0・2%