ローマ教皇フランシスコは28日、長崎大司教区のヨセフ髙見三明大司教(75)の定年に伴う退任願いを受理し、同教区のペトロ中村倫明(みちあき)補佐司教(59)を後任に任命すると発表した。着座式は来年2月23日、同教区の司教座聖堂である浦上教会(長崎市)で執り行われる。
中村氏は1962年、長崎県大島町(現・西海市)生まれ。88年、司祭に叙階され、長崎大司教区内で各地の小教区主任司祭を歴任。長崎カトリック神学院を担当したほか、福岡サン・スルピス大神学院で養成担当を務めた。2019年から現職。日本カトリック司教協議会では、諸宗教部門担当司教や日本カトリック部落差別人権委員会委員長などを務めている。
教皇フランシスコは着座式まで髙見氏を、大司教と同等の責任を持つ使徒座管理者に任命。髙見氏は着座式後に引退し、名誉大司教となる。一方、中村氏は着座式までは被選大司教となる。
02年に長崎大司教区の補佐司教に任命された髙見氏は、前任の島本要大司教の急逝を受け、翌03年に大司教として着任。08年には、長崎県営野球場で行われた「ペトロ岐部と187殉教者」の列福式を実行委員長として執り行い、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録にも携わった。また、2016年からは日本カトリック司教協議会会長となり、19年の教皇フランシスコ訪日に尽力した。着座式後には、司教協議会会長や関係司教委員会・部門の責任・担当も退く予定。
髙見氏は、教区内の信徒らに宛てた同日付のメッセージで、「中村倫明被選大司教様のご健康とご活躍、そして長崎の教会共同体の立て直しと発展の上に聖霊の導きと主の祝福を、マリア様のとりなしによって祈りましょう。また、わたしのためにも祈ってくだされば大変ありがたいです」と伝えた。