バチカン(ローマ教皇庁)は4日、教皇フランシスコが、イタリア人修道女のラファエラ・ペトリーニ氏(52)をバチカン市国行政庁次官に任命したと公式サイト(英語)で発表した。カトリック誌「タブレット」(英語)によると、バチカン市国の行政機関ナンバー2の地位で、女性が任命されるのは今回が初めて。
ローマ出身のペトリーニ氏は、カトリック女子修道会「御聖体のフランシスコ姉妹会」の所属。カトリック教会の社会教説の専門家で、特に医療保健分野に力を入れているという。2005年から福音宣教省の職員を務めており、教皇庁立聖トマス・アクィナス大学などで教鞭を執っている。
行政庁は、バチカン美術館や警察、保健局、郵便局、薬局などを含むバチカン市国の行政全般を統括する組織。イタリアの首都ローマ市内に位置するバチカン市国は、国土が世界最小の0・44平方キロメートル。人口は約800人にすぎないが、数千人の被雇用者を抱えている。前次官のフェルナンド・ベルヘス・アルサガ大司教(76)が10月から長官に就任していた。
タブレット誌によると、バチカンではこの1年余りのうちに、女性が要職に就くことが増えており、2月にはフランス人修道女のナタリー・ベキャール氏(52)を、女性としては初めて世界代表司教会議(シノドス)事務局次官に任命するなどしている。