ローマ教皇フランシスコは11日、自発教令の形を取った使徒的書簡「スピリトゥス・ドミニ(主の霊)」を発表し、教会の朗読奉仕者と祭壇奉仕者に女性を選任できるよう教会法(第230条1項)を改定した。バチカン(教皇庁)公営のバチカン・ニュース(日本語版)が同日伝えた。
カトリック教会ではこれまで、朗読奉仕者と祭壇奉仕者に正式な典礼をもって選任されるのは、伝統的に男性に限られていた。かつて存在した副助祭などの司祭候補者に当たる下級位階がこれらの奉仕を担当していたためだ。1972年には、教皇パウロ6世(当時)がこれらの下級位階を廃止し、聖職位階としての性質を持たない朗読奉仕職と祭壇奉仕職を制定。教会が信者にも奉仕を委託できるようにしたが、正式な典礼を伴って選任する奉仕者については男性に限定されていた。
男女共に信者がこれらの奉仕に当たることは、すでに多くの国で定着しており、教皇があらためて女性の役割を明文化した形。一方、ロイター通信によると、バチカンはこの改定について、将来的に女性司祭を認めることとは「明確な一線を画す」ものだと強調した。