前カトリック東京大司教の岡田武夫名誉大司教が18日に死去したことを受けて、ローマ教皇フランシスコと教皇庁(バチカン)福音宣教省が弔文を寄せた。
東京大司教区によると、バチカン国務長官のピエトロ・パロリン枢機卿は弔文で教皇からの弔意を伝え、「岡田大司教様の長年にわたる献身的な司祭職と司教職への感謝の祈りを込めて、教皇は、岡田大司教様の魂を救い主イエスのいつくしみ深い愛に委ねます。教皇は、復活の希望のうちに天に召された岡田大司教様を悼むすべての人々に、主の平和と慰めのしるしとして、心から使徒的祝福を送ります」と記した。
バチカン福音宣教省長官のルイス・アントニオ・タグレ枢機卿は弔文で、「岡田大司教様のご逝去に悲しんでおられる東京大司教区の司祭、修道者、信徒、そして岡田大司教様の親族の皆様に、私たちの哀悼の意をお伝えください」と述べた。
岡田大司教は、1973年に司祭叙階されてから47年間、司祭としての道を歩んだ。91年には浦和教区(現さいたま教区)の司教に叙階され、2000年から17年に定年を迎えるまで東京大司教を務めた。日本カトリック司教協議会の会長として、日本のカトリック教会が直面するさまざまな課題に取り組んだほか、東京カリタスの家やロゴス点字図書館の理事長を務め、社会の中で困難に直面する人々のために尽力した。
葬儀ミサは23日、東京カテドラル聖マリア大聖堂(東京都文京区)で執り行われた。菊地功・現東京大司教は説教で、亡くなる6日前に岡田大司教が自身のブログに投稿した文章に触れ、「新しい命の誕生を祝う準備をする今こそ、真の喜びに至る復活について思いを馳(は)せることの大切さを最後に書き残されました」と伝えた。
菊地大司教は、「日本の教会のために、また普遍教会のために大きく貢献された人生でした。自分のことではなくキリストのことを考えて、キリストに倣い、仕えられるためではなく仕えるために生きる人生でありました。そして人知をはるかに超えた神の計らいにすべてを委ね、神の計画の実現を最優先とした人生でありました」と証しした。