ベストセラー『人生を導く5つの目的』で有名なリック・ウォレン牧師が牧会するサドルバック教会(米カリフォルニア州、礼拝出席者数2万3千人)は7日、約40年にわたる同教会の歴史で初めて女性に按手(あんしゅ)礼を授け、3人の女性牧師が誕生したと発表した。
按手式は6日夜に行われ、同教会はフェイスブック(英語)に「昨日はサドルバック教会にとって、さまざまな意味で歴史的な夜でした」と投稿した。一方、同教会が加盟する米最大のプロテスタント教団「南部バプテスト連盟」(SBC)は現在も女性牧師を認めていない。そのためフェイスブックには、「非聖書的」などと批判するコメントも寄せられた。
按手礼を受けたのは、ケイティ・エドワーズさん、リズ・パファーさん、シンシア・ペティーさんの3人。10代の頃から同教会に通い信仰を持ったエドワーズさんは、同教会のユースミニストリーに20年余り携わっており、クラウン大学のケン・キャスター教授と共著で『The Skinny on Discipleship(弟子訓練の極意)』を出版するなどしている。パファーさんは、同教会が奉仕者向けに設置したロックブリッジ神学校で学び、1994年から27年にわたり奉仕している。ペティーさんは同教会の子どもミニストリーで20年以上奉仕しており、バプテスト聖書大学でキリスト教教育学、ゴールデン・ゲート・バプテスト神学校で神学を学んだ。
地元のライブグッド社のインタビュー(英語)に応じたペティーさんは、昨年11月にウォレン牧師から按手礼について話を受けたと明かしている。それによると、ウォレン牧師は女性に対する按手礼について同教会の長老たちと何カ月にもわたって議論してきたと説明。その上で、ペティーさんを同教会初となる3人の女性牧師の1人として任命することを、長老たちが満場一致で決めたと告げたという。
ペティーさんは長年教会で奉仕してきたが、牧師になることは考えもしていなかったとし、次のように語っている。
「牧師になることは、これまで一度も考えたことはありませんでした。私はこれまで、男性牧師の権威の下で女性がリードできる範囲で教会に関わってきました。ですから、『教会奉仕における女性』についての考え方の変化は革命的でした。名誉なことですし、非常に謙虚な気持ちになりました。そして、最も意味あることだと思ったのは、いつか牧師になりたいという願いや夢を持ち、教会スタッフとして奉仕している若い女性たちにとって、これがどれほど画期的なことだろうということです」
同教会はこの他、同教会から生まれた依存症回復ミニストリー「セレブレイト・リカバリー」の創始者ジョン・ベイカー牧師が2月に死去したことを受け、息子のジョニー・ベイカー牧師を同ミニストリーの新たな代表に任命するなどした。