女性司祭誕生から25年を迎えた英国国教会(聖公会)は1日、カンタベリー大主教公邸のランベス宮殿(ロンドン)で記念礼拝を行った。同教会では1992年に女性司祭が認められ、2年後の94年に、460年に及ぶ同教会史上初めて女性32人が司祭に叙任された。2014年には女性主教も認められ、翌15年に誕生している。
礼拝には、94年に叙任された女性司祭や、女性聖職者容認運動に積極的に関わってきた信徒や聖職候補者らが出席。同教会初の女性主教であるダービー主教リビー・レーンをはじめ、シャーボーン主教カレン・ゴーハム、リポン主教ヘレン・アン・ハートレー、ペンリス主教エマ・アイネソン、ドーキング主教ジョー・ベイリー・ウェルズ、アストン主教アン・ホリングハーストの計6人の女性主教も出席した。
説教を取り次いだのは、カンタベリー大主教チャプレンのイザベル・ハムレイ氏。説教では、マリアとヨセフに与えられたイエスという贈り物について、また、そのイエスを育てるリスクと責任について語った。
「この贈り物を大切にしましょう。白昼堂々とであれ、ひっそりと隠れた場所であっても、それは同等に力強いからです。私たちの内に住まうこの贈り物を、共に証しできますように。また、私たちを召して、主に従うようにされた神を証しすることができますように」
カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーは、礼拝出席者らを歓迎し、次のように述べた。
「今日、ここにおられる方々の多くは先駆者です。それらの方々は、英国国教会で女性として任職されたことの意味を理解するために労しておられます。自分たちや地域社会のためだけでなく、キリストの御体全体のためにそうされています。今日、私たちは、1994年に道を切り開いた方々に証しをしましょう。また、それ以降に奉仕の道が開かれた方々を支えましょう」
94年3月12日にブリストル大聖堂で行われた同教会初の女性司祭叙任式で司式をしたバリー・ロジャーソン主教は、次のようにメッセージを寄せた。
「過去25年間、私は教会やチャプレン付きの施設、病院やホスピス、学校や大学、また刑務所などで女性たちの働きを見守り、受け入れてきましたが、女性司祭たちがどれだけ革新的で前向きな貢献をしたかを知っています。今私たちの念頭にあるのは、司祭の働きとして考慮も検討もされていない働きを行っている世界中の女性たちのことではないでしょうか」
94年に司祭に叙任された女性32人の1人で、名簿順から同教会初の女性司祭とされるアンジェラ・バーナーズ・ウィルソン氏は、次のように語った。
「英国国教会で、あっという間に初の女性司祭に任命されたことは驚くべきことでした。私が今、大きな感謝を持って思い起こしているのは、私と共に司祭に任じられた女性たちと、それ以降に司祭に任じられた何百人もの女性たちのことです」
「初めは女執事として、次に執事として仕えてきた見習いの15年の後、25年の間、(司祭として)自分の召しを貫いてこれたことは大きな恵みです。今日は、すべての女性司祭を祝う日です。彼女たちは、世界にキリストの福音をもたらすという自分たちに対する神の召しを最大限に果たすことができました」