米国最大のプロテスタント教派の宣教師会が、異言を語ったことがある者も入会できるよう宣教師の資格基準を変更した。
南部バプテスト連盟(SBC)の国際伝道局(IMB)は12、13の両日に開催した理事会で、10年前に定めた方針を変更し、異言や「私的な祈りの言語」を語ったことがある者の入会禁止を取りやめた。
一方、国際伝道局長のデイビッド・プラット博士は取材に対し、この新しい方針によって同連盟が異言を語ることを支持するようになったわけではないと述べた。
プラット博士は、「これまで、ある人が異言を語ったことがあったり、私的な祈りの言語によって祈ったことがあったりすれば、その人は国際伝道局の宣教師として指名される資格を直ちに喪失しました」とこれまでの状況を説明。「国際伝道局は先週投票を行い、一律的な資格喪失を取りやめることを決定しました。しかし、この投票は教会内で国際伝道局の宣教師となる可能性がある人への認定についての投票であって、国際伝道局の宣教師がその宣教地で実際に行う働きの話ではありません」と述べた。
プラット博士はさらに、「宣教師の指名や訓練、また監督において、国際伝道局は神学、宣教学、牧会学、実践の側面から、異言の使用を含む多くの指導を行います」と述べ、「これらは認定資格それ自体には影響しないとはいえ、日々の業務には非常に影響します。国際伝道局が長らく堅持してきた立場は、このような行いは規範的な教えではありませんし、分裂を引き起こすというものです」と語った。
国際伝道局は今回、異言を語ったことがある者の受け入れを認めたことに加え、離婚経験者の扱いについても方針を変更した。離婚経験者はこれまで、2〜3年の短期宣教にしか携われなかったが、今後は長期の宣教に出ることも可能となった。
国際伝道局が今回の方針変更を受けて出したQ&Aには、「離婚はもはや、長期の宣教派遣が自動的にできなくなる理由ではなくなりました。以前から、短期(2~3年)の派遣は、離婚をした人でも行くことが可能でした。今後は、宣教師の奉仕の全てのカテゴリーにおいて、離婚経験者も奉仕することができるようになります」と書かれている。
しかし、「宣教チームにおける個人の役割、その人の離婚にまつわる事項、また予定している派遣先の文化に合うかについては、国際伝道局とその人の所属教会が協力して検討させていただきます」と書かれている。
今回の方針変更についてプラット博士は、「私たちは、南部バプテスト連盟の牧師や指導者から寄せられている応答に対しての、理事会の中にある一致の霊を感じ、非常に励まされています」と語った。
また、「これらの変更は、国際伝道局の方針と、南部バプテスト連盟の信仰告白で表現されている信仰と実践をより強く一致させるためになされました。この方針については、さまざまな誤解が取り沙汰されています。しかしこのような誤った報告によって、私たちはこの変更が意味すること、意味しないことについて必要な説明を提供する機会を得ることができました」と語った。