そこで、私たちは、あなたがたひとりひとりが、同じ熱心さを示して、最後まで、私たちの希望について十分な確信を持ち続けてくれるように切望します。それは、あなたがたがなまけずに、信仰と忍耐によって約束のものを相続するあの人たちに、ならう者となるためです。神は、アブラハムに約束されるとき、ご自分よりすぐれたものをさして誓うことがありえないため、ご自分をさして誓い、こう言われました。「わたしは必ずあなたを祝福し、あなたを大いにふやす。」こうして、アブラハムは、忍耐の末に、約束のものを得ました。確かに、人間は自分よりすぐれた者をさして誓います。そして、確証のための誓いというものは、人間のすべての反論をやめさせます。そこで、神は約束の相続者たちに、ご計画の変わらないことをさらにはっきり示そうと思い、誓いをもって保証されたのです。(ヘブル6:11〜17)
私たちの生活において、保証というものは重要です。電気製品や自動車、不動産に至るまで保証書があり、生活保障や医療保障なども入れると、数限りなくあります。
各種保証は私たちに安心を与えますが、保証の構造は約束と確証(確実な証拠)です。電気製品であれば、1年間の修理保証とメーカーによる確証があります。聖書にある保証とは、救いの約束と天地創造の神による確証です。
1. 希望の確信
そこで、私たちは、あなたがたひとりひとりが、同じ熱心さを示して、最後まで、私たちの希望について十分な確信を持ち続けてくれるように切望します。(6:11)
一人一人が熱心に最後まで希望について確信を持ち続けるように切望すると言っています。つまり、以下に書かれている約束と希望と確信についてです。
「土地は…耕す人たちのために有用な作物を生じるなら、神の祝福にあずかります」(7)
「もっと良いことを確信しています。それは救いにつながることです」(9)
「あなたがたがこれまで聖徒たちに仕え、…神の御名のために示したあの愛」(10)
私たちの心が神キリストを信じて、信仰により良い結果を結ぶなら、願いがかなえられる祝福を受けます。神は、神に仕える人を愛し仕えた私たちの行いを忘れられません。「もっと良いこと」とは、神が私たちを罪と死とあらゆる呪いから救い出してくださるということです。
約束の救いに対する希望の確信を強くさせていくことが、信仰成長だと言っています。
2. 信仰と忍耐
それは、あなたがたがなまけずに、信仰と忍耐によって約束のものを相続するあの人たちに、ならう者となるためです。神は、アブラハムに約束されるとき、ご自分よりすぐれたものをさして誓うことがありえないため、ご自分をさして誓い、こう言われました。「わたしは必ずあなたを祝福し、あなたを大いにふやす。」こうして、アブラハムは、忍耐の末に、約束のものを得ました。(6:12〜15)
信仰により祝福と約束のものを相続した旧約聖書に書かれている彼らに見習って、怠けずに信仰生活を送り、試練を忍耐して自分の祝福と約束を相続するようにと言っています。
アブラハムの信仰と忍耐を信仰の手本として挙げています。神は、万物の創造主としての栄光と力をさして、アブラハムへの約束を保証し誓い、アブラハムは熱心な信仰と試練への忍耐の末、約束のアブラハム民族を得ました。
アブラハムの時代に、神は初めて神の民を約束し、アブラハムから生まれ広がることを約束しました。
神がアブラハムに子孫を約束したとき、アブラハムと妻サラには子どもがなく、アブラハム75歳、サラ65歳で、しかもサラは不妊の女でした。神が再び現れ、アブラハムに子孫を約束し、確証を与えたとき、アブラハム85歳、サラ75歳でしたが、サラは我慢できず奴隷女ハガルに子イシュマエルを産ませました。
神が3度目にアブラハムに現れ、確証を与えたとき、アブラハムは99歳、サラは89歳でした。そして、完全に子孫は不可能というアブラハム100歳とサラ90歳の夫婦に、神の栄光と力は、長男で独り子イサクを与えたのです。ここに、信仰と忍耐とによる約束の成就の奥義があります。
3. 確証の誓い
確かに、人間は自分よりすぐれた者をさして誓います。そして、確証のための誓いというものは、人間のすべての反論をやめさせます。そこで、神は約束の相続者たちに、ご計画の変わらないことをさらにはっきり示そうと思い、誓いをもって保証されたのです。(6:16、17)
人間世界が保証を確証させるのに誓いを用いるので、神も、ご自身に誓って約束を保証し、人間に確証を与え、反論をやめさせるのです。
私たちが神の民に加えられ、神の子とされる救いのご計画の変わらないことが、神の誓いによって保証され、確証されています。私たちが信仰により救われるという約束の保証と確証は、神による誓いにかかっています。
まとめ
「信仰は望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを確信させるものです」(ヘブル11:1)とありますが、救いと祝福の約束に対し、神の誓いが人間の反論をやめさせます。その神への信仰により、望んでいる救いと祝福が保障され実現し、目に見えない神を確信させます。
熱心な信仰とは、救いの希望への確信を成長させるものです。また、神に仕える人を助けた愛に対して神からの報いを受け、互いに愛し合う生活を送ることです。
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