真夜中ごろ、パウロとシラスが神に祈りつつ賛美の歌を歌っていると、ほかの囚人たちも聞き入っていた。ところが突然、大地震が起こって・・・たちまちとびらが全部あいて、みなの鎖が解けてしまった。・・・看守は・・・「先生がた。救われるためには、何をしなければなりませんか」と言った。ふたりは、「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます」と言った。そして、彼とその家の者全部に主のことばを語った。・・・彼とその家の者全部がバプテスマを受けた。(使徒16:25~33)
2021年の後半を迎えました。コロナ禍にあっても、私たちの心の中には、キリストの愛と命が注がれています。主に信頼し、力強く前進してまいりましょう。
本日開いた箇所には、パウロがシラスと共に出掛けた第2回伝道旅行について記されています。ピリピの町を訪れた彼らは、伝道の妨害をする女占い師に憑いていた悪霊を追い出したことで、その女を使って金もうけをしていた主人に「この者たちはユダヤ人で、他の教えを説き、私たちの町をかき乱している」と告訴されます。2人は鞭打ちの刑を受け、牢屋では足かせの鎖につながれてしまいます。絶体絶命のピンチに陥った2人ですが、彼らは神に祈りつつ、賛美の歌を歌い、他の囚人たちもそれに聞き入っていたとあります。パウロとシラスは苦しみの中にあっても、胸にあふれる感謝をもって神を賛美しました。すると、神は彼らに答えられます。
祈りと賛美、ここに信仰の秘訣があります。苦しみの中でも心から神に感謝をささげるとき、神の救いの働きが現れるのです。パウロとシラスのささげた祈りと賛美がもたらした4つの恵みを学びましょう。
1. 周囲の人々も神の恵みの中に招かれる
パウロとシラスのささげる祈りと賛美を、他の囚人たちも静かに聞いていました。この囚人たちは、盗んだり人を傷つけたりしたのでしょう。いつまた鞭で打たれるか、いつ公開処刑されるか・・・彼らの心は、死ぬことへの恐れや後悔でいっぱいだったと思います。しかし、2人の祈りと賛美を聞き、神の平安と喜びで心が満たされていきました。神への祈りと賛美は、周りの人々を神の恵みの中へ巻き込むのです。
2. 神の御業が引き出される
突然の大地震によって獄舎のとびらが全て開き、全ての囚人たちを縛っていた鎖まで解けてしまいました。感謝をもって神に祈り、賛美をすると、神の奇跡が起こるのです。
3. 救いの御業のきっかけが起こる
看守は、長官からパウロとシラスを厳しく監視するように命令されていたのでしょう。看守は牢のとびらが開いていることを見て、自害しようとします。その時、パウロは大声で「自害してはいけない。私たちはみなここにいる」と叫びました。
パウロとシラスが牢獄で祈って賛美する一部始終を見ていた看守は、「この人たちは本当に聖い人だ、彼らが祈ると地震まで起き、鎖まで解ける。なんてすごいことなんだ」とわれに返ります。そして、看守は「救われるためには、何をしなければなりませんか」とパウロとシラスに尋ねました。祈りと賛美は、救いの御業が起こるきっかけを生み出すのです。
4. 神の御業の広がりを生む
パウロとシラスは看守に「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます」と語り、彼とその家の者全員が洗礼を受けます。そうして、福音がさらに宣べ伝えられ、教会が広がっていきました。
私たちには人生の流れを変える信仰の秘訣が与えられています。それは、神への祈りと賛美です。この2021年後半の日々も、祈りと賛美によって神の恵みを頂いてまいりましょう。
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