第2次世界大戦の退役軍人で、第一合同メソジスト教会(米テキサス州ビッグサンデー)の牧師を務めるジャック・ヘッツェルさん(99)が5月28日、時間はかかったものの遂に夢がかない、晴れて高校の卒業証書を受け取った。
この日、ビッグサンデー高校の卒業式に出席し、名誉ある卒業証書を授与されたヘッツェルさんは、地元テレビ局KETK(英語)の取材に応じ、「胸が高鳴っています」と答えた。
ヘッツェルさんは現在、消防用ノズルの販売会社も経営している。KETKや同社のホームページ(英語)によると、ヘッツェルさんは小学3年程度の教育しか受けていなかったものの、軍人として米国の陸軍航空隊、陸軍、空軍で計20年以上のキャリアを積んだ。第2次世界大戦では、ノルマンディー上陸作戦やバジルの戦いなど、欧州における6つの主要な戦いを経験し、その後、朝鮮戦争にも出征した。
同社のホームページでは次のように紹介している。「ジャックは3年生程度の教育しか受けていないが、テキサスA&M大学で『軍事科学』の教官となった。退役後も常時、起業に携わり、多くのビジネスや慈善事業を成功に導いた。それらは現在も運営されている。ジャックが『一番幸せなのは、困っている人を助けているとき』である」
ヘッツェルさんは1948年に米国の高卒認定試験(GED)を受けたが、小学3年の時に退学を余儀なくされ、学校に当時の出席記録がなかったため、この時は卒業証書を受け取ることができなかったという。
「1948年にGEDを受験して以来、卒業証書を取得したいと願っていましたが、当時通っていた学校には3年生までしか在籍しませんでしたので、私に関する記録が残っておらず、その学校の卒業証書を取得することができませんでした」
卒業証書を取得できなかったことを常々後悔していたが、別の学習方法を利用することはできたとヘッツェルさんは話す。
今年の秋に100歳を迎えるヘッツェルさんは言う。「お分かりだと思いますが、教育をほとんど受けておらず、その状態で人生を歩まなければならない場合、何らかの方法で勉強しなければなりません。私は他の人たちを自分の教師にしました。質問があるときは、知識のある人のところに行って質問し、その知識を日常生活で使うようにしていました」
戦没将兵追悼記念日の5月31日には、テキサス州の上院議会がヘッツェルさんの卒業証書受領を認定する決議を行った。議案を提出した同州のブライアン・ヒューズ上院議員は、KETKに次のように語った。
「戦没将兵追悼記念日を迎えるこの特別な週末に、彼の年齢と経歴で高校の卒業証書を取得したことや、彼が人生で成し遂げてきたさまざまなことを考慮すると、彼に栄誉を与えることが相応なのではないかと思われました」
「彼は私たちの誇りです。彼に票を投じていただいた者として、彼を自慢でき、彼について話すことができてとても光栄です。私たちも楽しませていただきました」
ヘッツェルさんは卒業証書の取得に加え、99歳まで生きていることは「祝福」だとし、次のように話した。
「99歳という年齢を迎えられたことは、祝福だと思います。私の主であり、救い主であるイエス・キリストを知っている、それだけで十分祝福されています。これ以上必要なものはありません」