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孤独感からの解放 佐々木満男

2021年5月22日22時10分 コラムニスト : 佐々木満男
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1. 孤独な日本人

「主人が亡くなってから話し相手がいなくなりました。もう1週間も誰とも話していません。こうして、どんどんボケていくのかと思うと、とても心配です」。相続の打ち合わせのため、外出できない高齢者のお宅を訪問することが多くなってきた。訪問すると、とても喜んでくれる。久しぶりに話し相手が会いに来てくれたからである。

数年前、一人住まいの遠い親戚からしばらく連絡がないので自宅マンションを訪ねたら、なんと孤独死で、死後40日もたっていた。非常にショックを受け、それ以来時間の許す限り、一人暮らしの孤独な人を訪問するようにしている。

日本人は、特に男性は孤独を好み、孤独に強いように思う。仕事の後も休日も一人で過ごす人が多い。一人暮らしでも用事がなければ親に電話もしないし、たまに電話しても長電話するわけでもない。一人で食べたり、一人で映画を見たり、一人旅をしたり、喫茶店でも一人で黙々とスマホを見ている。『世界一孤独な日本のオジサン』(角川新書)という本まで出版された。

「人に迷惑をかけたくない。人の世話になりたくない」という、日本人のメンタリティーが孤独化を深めているのではないか。コロナ禍の中で社会全般に孤独化は急速に進んでいる。人に会いたくても会えない、話したくても話せない。未婚率、一人暮らしの増加が、それに拍車をかけている。以前から「日本人は他の国と比べて孤独である」という調査結果が出ている。世界145カ国中、人との結びつき指数は101位で、先進国の中で最悪である。(2005年OECD調査)

最近ようやく、日本人の孤独は重大な社会問題であると認識され、2021年2月19日、内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」が設置された。「世界で一番恐ろしい病気は、孤独です」とマザー・テレサは言った。彼女はカルカッタの貧民窟で一人寂しく死んでいく病人たちに最後まで寄り添った。クリスチャンとして、隣人を愛するなら、もっと積極的に孤独な人々に接していくべきではないだろうか。

2.「会いに行く教会」

こんな時代だからこそ、会いに行くことに大きな意味がある。知人の若い牧師が「会いに行く教会」を始めた。教会に人が来るのを待つのではなく、面会を希望する人たちに牧師が出向いていくのだ。「二人また三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである」(マタイ18:20)とイエスは言われた。2人で集まる面会場所がそのまま、教会(エクレシア)になるのである。

この働きがSNSで広がり、広くは沖縄から北海道まで、彼はどこにでも飛んで行く。交通費は牛丼の吉野家でのバイトで稼いでいる。2018年に始めて、すでに500人を超える人に会いに行っている。わざわざ会いに行くことで特別な信頼関係が生まれ、多くの人がキリストを信じて洗礼を受けている。

3. 孤独感の真の解消

けれども、人と接しているだけでは、心の奥底の孤独感は解消されない。群衆の中にいても、親しい仲間と飲み歩いていても、家族と一緒に住んでいても、この孤独感は消えることはない。実際、かつての私がそうだった。

ところが、クリスチャンになってからは、この底なしの孤独感に襲われることがなくなった。インマヌエルの神は、世の終わりまで私と共にいてくださる(マタイ1:23)。しかも、キリストは私の内側に住んでくださり、24時間1分1秒も離れることなく、私と生活を共にしてくださっている(コロサイ1:27)。

この素晴らしい福音(グッドニュース)を、すべての人に伝えたい。

◇

佐々木満男

佐々木満男

(ささき・みつお)

弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL. M)。インターナショナルVIPクラブ東京大学顧問。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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