東京電力福島第1原発から出る放射性物質「トリチウム」を含む処理水を海洋放出する方針を政府が決めたことを受けて、日本YWCAは21日、政府の方針に反対し撤回を求める声明を発表した。
声明は、福島県にある59市町村の約7割に当たる41市町村の議会が、海洋放出に反対、または慎重な対応を求める決議や国への意見書を採択していることなどに言及。海洋放出の決定は「そのような市民の反対や不安を押し切る強行的な判断」と強く非難した。また、大型タンクの設置やモルタル固化処分などの代替手段を専門家が示しているにもかかわらず、人体への有害性が懸念されているトリチウムを含んだ処理水を海洋放出することは「市民の健康を顧みない、非人道的な取り組みであることは明白」と強調した。
その上で、「放射性汚染水の海洋放出は、女性・子どもの健康を脅かすことはもちろんのこと、地域住民の経済を直撃し生活基盤を崩壊させます」とし、「速やかに決定を撤回し、誠実な対応策を講じることを求めます」と訴えた。