神戸女学院大学(兵庫県西宮市)は5日、第17代学長に同大総合文化学科教授の中野敬一氏が就任したと発表した。任期は4月1日から2024年3月31日までの3年。昨年10月の臨時理事会で選任され、1日には同大のスーザン・A・ソール記念礼拝堂で就任式が行われた。
中野氏は1964年、岡山県生まれ。88年同志社大学神学部卒業、90年同大学院神学研究科博士課程前期修了、2005年米太平洋神学校博士課程修了。学長就任前は、神戸女学院大学の学生部長、大学チャプレン、同大を運営する学校法人神戸女学院の学院チャプレンを務めており、学院チャプレンは就任後も継続する。
専門は実践神学で、「葬送儀礼」や「死生観」「他界(あの世)観」についても他宗教や他文化と比較しつつ研究している。論文に「キリスト教記念式への一提案」「キリスト教『前夜式』に関する一考察」「明治期における日本人キリスト者の『他界観』」などがある。
学長メッセージでは、急速に変化する時代において、まず先人から受け継がれてきた「知」を学ぶことが未来への備えとして大切だと指摘。そうすることで、未知の出来事に対応できる新たな知を創出することにつながるとし、そのためには自身の専門以外の領域も学ぶことが重要だと述べている。その上で、自身の役割を見いだすことの大切さに触れ、知の充実が使命感の発露を促すとした。そしてその使命を確立させるのが、同学院の永久標語である「愛神愛隣」だとし、次のように述べている。
「神に与えられた責務に応答し隣人のために行動するという教育理念が、学びで得たものを自分のためだけではなく、他者のために用いたいという志へと導きます。また、広い視野により世界を見て異質なものを受容し、他者との共生を目指すという国際理解に根ざす教育もその志を支えています」