米南部バプテスト連盟(SBC)の執行委員会は2月23日、性犯罪歴のある牧師を雇用したり同性愛を支持したりしたなどとして、4教会を除名処分とした。SBCの機関紙「バプテスト・プレス」(英語)が同日伝えた。
バプテスト・プレスによると、アンティオキア・バプテスト教会(テネシー州セビアビル)は、別の教会を牧会していた1994年、当時16歳の教会員と2度にわたって性的関係を持ったことを認め、法定強姦罪で有罪となった牧師を雇用していたとして除名処分となった。
また、ウエストサイド・バプテスト教会(ペンシルバニア州シャープスビル)は、93年にテキサス州で児童に対する加重性的暴行罪で有罪となり、性犯罪者として登録されている牧師を雇用したとして除名処分となった。同教会はすでに地元のバプテスト組織からは除名されており、今回SBCからも除名された形。
一方、タウン・ビュー・バプテスト教会(ジョージア州ケネソー)と聖マシューズ・バプテスト教会(ケンタッキー州ルイビル)は、同性愛を支持したことで除名処分となった。
タウン・ビュー・バプテスト教会は2019年、3人の男の子を養子に持つ男性同士の同性愛カップルを教会員として受け入れることを決めた。これにより教会員の約3割が教会を離れることになったが、同教会のジム・コンラッド牧師は、決定は間違えていなかったとしていた。今回の除名処分に対しては遺憾を表明し、「私たちは、私たちの教会の歴史においてSBCの諸教会と関係を持ってこられたことに感謝しています。私たちは、イエスの中にある、またイエスを通して表された神の愛をすべての人と分かち合い、イエスを主と告白する人は誰でも教会の交わりに迎えることを約束し続けます」と語った。
聖マシューズ・バプテスト教会は18年、同性愛支持を理由にすでにケンタッキー州バプテスト連盟から除名されており、今回SBCからも除名された形。
4教会の除名は、SBCの資格審査委員会の勧告に基づくもの。決定は2日間にわたって行われた執行委員会の最後の本会議で発表された。SBCは19年の総会で、人種差別や性的虐待、その他の問題に対し、適切な対処を怠ったり、隠蔽したりした教会を除名し、SBCと「友好的な協力関係にない」と見なすよう教憲を改正していた。
資格審査委員会のマイク・ローソン委員長はバプテスト・プレスに次のように語った。
「私たちは、このような重要な問題についてすべての教会が一致していることを願っています。しかし、入手可能な情報から明らかにそうではないことが分かったとき、行動を取る必要があります。私たちには深い悲しみがありますが、勧告は正しい判断だったと信じており、関係者全員のために祈り続ける考えです」