フランス南部ニースで29日午前9時(日本時間同午後5時)ごろ、刃物を持った男がカトリック教会を襲撃し、少なくとも3人が死亡、数人が負傷した。ニースのクリスチャン・エストロジ市長はテロとの見方を示している。ロイター通信などが伝えた。
同通信によると、死亡した3人のうち女性1人は首を切断されたとされている。エストロジ氏のツイート(フランス語)によると、3人のうち2人は教会内で殺害された。
襲撃があったのはニースのノートルダム大聖堂。犯人の男は逮捕された際、「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫んだと伝えられている。事件後には、エマニュエル・マクロン大統領も現場に急行した。
フランスでは、2015年にイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を掲載したことで襲撃を受け、社員12人が殺害された風刺週刊紙「シャルリー・エブド」が9月2日、再びムハンマドの風刺画を掲載。この後、25日にはシャルリー・エブド紙の旧本社前で男女がパキスタン人の男に切り付けられる事件が発生。今月16日には、風刺画を生徒に見せた中学校の男性教員が、チェチェン人の男に首を切断されるなど、テロ事件が相次いでいる。
ローマ教皇フランシスコは29日、ツイッター(英語)にニースの事件に関するコメントを投稿。「祈りと慰めの場(教会)に死の種をまいた事件を嘆きつつ、ニースのカトリック・コミュニティーに寄り添います」と述べ、「犠牲者と遺族、また愛するフランス国民のために祈ります。彼らが悪に善で応じることができますように」と伝えた。