フランス・パリ近郊で少なくとも1つの教会への襲撃計画に関与した疑いで、4月26日にさらに3人が逮捕された。
フランス警察は、身元が分からない男の容疑者3人が、22日にパリ近郊で1、2カ所の教会を襲撃する計画を立てた疑いで逮捕されたシド・アフメド・グラム容疑者と関連があるとみて捜査している。
フランス警察によれば、3人の男は現在留置され、反テロリスト担当捜査官の取り調べを受けているという。3人のうち2人のDNAがグラム容疑者の部屋で発見されており、1人は寝室で、もう1人はヘアブラシから検出された。英インディペンデント紙によると、残りの1人は物流面での支援を行っていた可能性がある。
アルジェリア出身のグラム容疑者は24歳の学生で、過去にシリアへの渡航の意志を公に示したことがあり、当局からもマークされていた。19日朝に自身の足を誤射し、救急車で搬送されたが、その後教会への襲撃を計画していた疑いで警察へ連行された。
ベルナール・カズヌーブ内相によると、グラム容疑者が襲撃を計画していたことを「明らかに示唆する」メモが発見され、さらにカラシニコフ銃3丁と防弾チョッキなども押収された。
パリの主任検事は、グラム容疑者が電話やパソコンで、シリアに滞在しているとみられるフランス語を話す者とコンタクトを取り、教会への襲撃を実行するよう指示されていたと推測している。グラム容疑者が何らかのテロ組織と直接関係があるかはまだ明らかになっていない。
また、グラム容疑者は、19日に車の中から遺体で見つかった32歳の女性オーレリー・シャトランさんの死に関与した疑いも持たれている。遺体の頭部には、銃で3発撃たれた痕があった。
グラム容疑者は24日、殺人と殺人未遂、また犯罪を目的に犯罪者と関係を持った罪で起訴された。
フランスでは、1月にパリで起こったイスラム過激主義者による襲撃事件による動揺がいまだに残っている。風刺紙シャルリー・エブド社とユダヤ系スーパーマーケットの襲撃事件では17人が死亡した。マニュエル・バルス首相によると、フランスの情報機関はその後5件の襲撃計画の実行を未然に防いだという。