バチカン(ローマ教皇庁)公営のバチカン・ニュース(日本語版)は6日、教皇フランシスコが広島県の湯崎英彦知事に宛てたメッセージを公開した。教皇フランシスコは、平和構築のためには「核兵器を捨て去る」必要があることほど明白なことはないと強調し、核兵器廃絶をあらためて訴えた。
メッセージの中で教皇フランシスコは、昨年11月の広島と長崎の訪問を振り返り、「平和を強く希求し、平和のために自らをささげようとする今日の人々、特に若い人々の熱望を、今も心に留め続けています。同時に、私は貧しい人々の叫びをも心に留めます。彼らは常に、暴力と紛争の最初の犠牲者です」と述べた。
その上で、「平和を花開かせるには、すべての人々が兵器を、特に最も強力で破壊的な核兵器を捨て去る必要があることほど、明白なことはありません」とし、「原子力の戦争目的の使用は、倫理に反します。核兵器の保有は、それ自体が倫理に反しています」と昨年11月に自身が広島で語った言葉をあらためて強調した。
最後に、「広島と長崎の被爆者の方々の預言的な声が、私たちと未来の世代への警鐘であり続けますように。これらの方々に、そして和解のために働くすべての方々に、私たちは詩編のこの言葉を、自らのものとしてお贈りしたい」と述べ、「わたしは言おう、わたしの兄弟、友のために。『あなたのうちに平和があるように』」と詩編122編8節を引用した。